【変化を求めるユーザーへ】DS 4 Eテンス 225へ試乗 1クラス上の上質 PHEV登場
公開 : 2021.10.27 08:25 更新 : 2022.08.08 07:22
優等生的なドイツ勢に対し、フランス流のエレガントさで対抗するDS。人気の小型クロスオーバー・カテゴリーで、有力な選択肢だと英国編集部は評価します。
多くの嗜好をカバーする多様な設定
フランス・シトロエンから派生した上級ブランド、DS。英国での浸透率は、メーカーの想定よりゆっくりとしたもののようだ。その理由の1つが、これまでDSが提供してきたモデルの一部は、ハイブランドが選ばれにくいカテゴリーに属していたから。
しかし、今回試乗したDS 4はアウディQ3やBMW X2といったモデルがライバル。実際、DSブランドを英国市場の軌道に乗せた立役者となっている。ジャガーやレクサスと、調子よく渡り合っているようだ。
英国での発売は2021年初頭。その後順調に売れ続け、年間の販売台数は4000台に登る見込み。バスティーユにトロカデロ、リヴォリ、最上級のラ・プルミエールまで、フレンチな名前の幅広いトリムグレードで、英国ユーザーを誘惑している。
トランスミッションはオートマティックが標準。ドアハンドルはボディ面と一体のフラッシュスタイルで、LEDマトリックス・ヘッドライトなどモダンな装備も不足ない。
さらにボディスタイルの仕上げも、3種類から選択可能。標準はクロームメッキ・トリムが多用されるもので、DSと呼ばれる。DSパフォーマンスラインは、ブラック・ホイールで足元を引き締め、ボディトリムも艶のあるブラックがあしらわれる。
DSクロスは、BMW X2などと真っ向勝負するべく、クロスオーバー風のスキッドプレートやルーフレールでアウトドア感を強めたスタイル。ただし、車高は通常のDSスタイルと変わらない。できるだけ多くの嗜好をカバーしようという狙いだろう。
1クラス上のラグジュアリー
英国版のパワートレインは5種類ある。3種のガソリンエンジンとディーゼル、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)がその選択肢。PHEV以外でも燃費を向上させる電動化技術として、スターター・ジェネレーター(ISG)を搭載する。
新しいDSというブランドの4に、少し戸惑うかもしれない。特にまだ実車を見たこともなければ。だが、このクラスを考えているターゲット層に、DS 4は直接響くと筆者は考えている。
今回試乗したDS 4は、ガソリン・マイルド・ハイブリッド(HV)のピュアテック130と、Eテンス225 PHEVの2種類。英国ではPHEVの方が人気は高いらしく、そちらの方を重点的に運転させてもらった。
DS 4のインテリアは細部まで良く作り込まれている。ダッシュボードの化粧パネルには立体的な細工が施され、スイッチ類も同様の彫刻が入った金属製。エアコンの送風口は、目立たないように工夫されている。
ダッシュボード中央には大きめのタッチモニター。その下には、編集可能なショートカットキーが表示されるタッチモニターがある。ステアリングホイールの向こう、メーターパネルもモニター式だ。
ヘッドアップ・ディスプレイも備わり、筆者が体験したもののなかで最も鮮明な図像が投影されていた。インテリアから受ける印象は、1クラス上のラグジュアリーといったところだ。
英国価格はトップ・トリムグレードのラ・プルミエールでEテンス 225を選んでも、4万3695ポンド(664万円)から。競合と比較すると、お手頃感がある。下位グレードのバスティーユなら、2万5350ポンド(385万円)からオーナーになれる。