【電動電脳でも、Cセダン】メルセデス・ベンツCクラス新型 フルチェンの評価は?

公開 : 2021.10.18 20:45  更新 : 2021.10.18 23:45

新型Cクラスを試乗レポート。とうとう全モデルがISG搭載となった定番セダン、「リア・アクスルステアリング」採用車をテストします。

C 200アバンギャルド どんなクルマ?

メルセデス車ラインナップでCクラスは中堅モデルとなるが、FRメルセデスではエントリーに位置する。

コンパクトな車体寸法にメルセデス車の神髄を凝縮した、と言っては少々大袈裟だが、EクラスSクラスにも通ずる走りの質感は同車の重要なセールスポイントである。

新型Cクラス、メルセデス・ベンツC 200アバンギャルド(モハーベシルバー)。先代のローレウスエディションに比べて全長は80mm、ホイールベースは25mm長くなっている。
新型Cクラス、メルセデス・ベンツC 200アバンギャルド(モハーベシルバー)。先代のローレウスエディションに比べて全長は80mm、ホイールベースは25mm長くなっている。    宮澤佳久

Cクラスと命名されてから5代目となる新型の現在のバリエーションは、セダンとワゴンの2系統。

それぞれ1.5Lターボを搭載するC 200アバンギャルドと、2Lディーゼル搭載のC 220 dアバンギャルドを用意。両パワートレインともに、ISG式ハイブリッドシステムを採用する。分類はマイルドハイブリッドだが、レイアウトはホンダのIMAに近く、20psのモーター(ISG)や専用のリチウムイオン電池の採用などマイルド型としては電動化を深めたタイプである。

試乗車はセダンの「C 200アバンギャルド」。

導入モデルでは最廉価(車両価格:654万円)ではあるが、ナビやインフォテイメント、電子制御サス等々のプレミアム系フル装備。さらにOPのAMGラインや新型車の売り物機能の1つでもある電子制御4WSのリアアクスルステアリングを装着。

72万円強のOPを加えて726万4000円。

スペックや装備内容からすれば納得はできるが、電動電脳化による価格上昇で価格帯が1ランク上がった印象は拭えない。

「BSG」から「ISG」へ

従来までのメルセデス車のマイルドハイブリッドはスターター/ジェネレーター兼用のISGを、ベルトを介してエンジンと連結させていた(BSG)。

新型のISGシステムではエンジン/ISG/ATの直列レイアウトとし、駆動充電の効率向上を図っている。

メルセデス・ベンツC 200アバンギャルドの前席内装(内装色:ブラック/レザーARTICO/DINAMICAシート)。運転席側に6°傾いた縦長ディスプレイが新型の証。
メルセデス・ベンツC 200アバンギャルドの前席内装(内装色:ブラック/レザーARTICO/DINAMICAシート)。運転席側に6°傾いた縦長ディスプレイが新型の証。    宮澤佳久

実質的にエンジン出力軸とISGが一体化しているので、アイドリングストップからの発進のタイムラグは皆無。

というか、走行中でもちょっとした緩減速などで頻繁にエンジン停止を行い、軽く踏み増せばすぐにエンジン始動。

エンジン停止コースティングを狙った制御なのだろうが、とにかく滑らか。タコメーターで確認して頻繁な走行中エンジン停止頻度に驚いたくらい。

滑らかなのは変速も同じ。

速度にもよるが巡航回転数はおよそ1500rpm。最近のクルマでは標準的な制御だ。

巡航から緩加速、あるいは登坂で緩やかに踏み込むとすぐにダウンシフト。500rpmくらいの回転変化だが、そういった変速も頻繁。これもまたタコメーターで確認が必要なほど滑らか。

9速ATの威力かマイルドハイブリッドの制御の巧みさかはともかくとして、ステップ変速にも関わらずドライブフィールは連続無段階制御なのだ。

記事に関わった人々

  • 宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。
  • 川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。
  • 徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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