【詳細データテスト】ルノー・アルカナ 意外な広さ ハイブリッドは燃費良好 質感と快適性には妥協も
公開 : 2021.10.23 20:25 更新 : 2021.12.21 15:49
内装 ★★★★★★★☆☆☆
アルカナとキャプチャーの関連性がもっとも明らかなのはインテリアで、ダッシュボードはまさに同じようにみえる。しかしながら、テストした中間グレードのSエディションでも、キャプチャーを特徴づける奇抜な要素が失われている。
ダッシュボードはソフトタッチなインサートに代わり、メタル調のパネルが広い面を覆う。一見するとエンジンターン加工したアルミのようだが、すぐにテカテカしたプラスティックだとわかってしまうそれだ。
キャプチャーのようなフローティングセンターコンソールも、アルカナにはない。MTの設定がないのだから、下部にギアボックスへのリンケージを配置する必要もないのに。
また、明らかなコストカットの痕跡も見て取れる。たとえば、シフトポジションを示す「PRNDB」にはバックライトが備わらない。暗くなってからの運転中には、間違えたポジションに入れてしまいかねない。
センターアームレストの小物入れなど、チープさがかなり際立っている部分もある。ただし、手が触れる箇所のほとんどはレザーで覆われていて、デザインは現代的なので、少なくともクロスオーバーの水準としては立派な質感だ。
それでも、より小さくて低価格なキャプチャーより、質感が落ちるとは予想していなかった。その差はわずかなものではあるのだが。
少なくとも、キャビンのスペースで上回っているのはうれしいところ。室内幅がキャプチャーより目に見えて広がっているようには感じないが、後席のレッグルームはアルカナより大きいクロスオーバーSUVの水準に照らしても広いといえる。実際、キャシュカイやツーソンを凌いでいるのだ。
その広さは、荷室にも当てはまる。スクエアな形状とフラットなフロア、開口部の低い段差もさることながら、スペースそのものがとにかく広く、奥行きと幅は中型SUVすら優に退けるほどだ。
荷室容量はキャシュカイとほぼ同じで、ラゲッジルームの床面は一般的なSUVほど高くはない。それでも、テスト車に積まれていたオプションのスペースセーバーを選択しなければ、フロア下に更なる収納スペースが生まれる。
スロープを描くテールゲートは、後席ヘッドルームをわずかに侵食するが、もっとも下り勾配がきつい部分はヘッドレストの直後なので、それほど大きな欠点にはならない。
それよりも、低いルーフラインのせいで、後方視認性がひどく乏しいほうが問題だ。後席ヘッドレストを立ち上げると、ルームミラーの大部分に映り込んでしまう。事態をさらに悪化させるのが、リアワイパーの設定がないことだ。雨が降ると、ガラスを水の膜が覆って、さらに後方視界を奪ってしまう。