【スマイルvsキャンバスの戦い開幕】永遠のライバル ワゴンRvsムーヴの歴史

公開 : 2021.10.22 05:45

敢えて追従しなかったことも……

ほかにも1997年11月にワゴンRにフロントベンチシート&コラムシフトを備えた「ワゴンRコラム」を追加すると、ムーヴは98年に登場した2代目モデルにコラムシフト仕様を設定。

1998年10月に登場した2代目ワゴンRにCVTが設定されると、ムーヴも99年5月にCVT仕様を追加するなど、両車とも追いつけ追い越せで進化を続けていた。

スズキ・ワゴンRとダイハツ・ムーヴ
スズキ・ワゴンRとダイハツ・ムーヴ

その一方でワゴンRやムーヴにのみ存在した仕様もある。

例えば1997年2月には初代ワゴンRをベースとし、1Lエンジンと幅広のボディを持って普通車とした「ワゴンRワイド」はムーヴには同様の車種は存在しなかったし、初代から3代目までムーヴにラインナップされていた4気筒ターボエンジンはワゴンRには存在しなかった。

またワゴンRでは5代目からスターターモーター機能とモーターアシスト機能を兼ねるモーター機能付発電機を備えたハイブリッドモデルが存在しているが、ムーヴにはハイブリッドモデルは存在していないという違いも存在している(ただしムーヴも試作車としてはハイブリッドモデルを制作したこともあり、軽初の燃料電池ハイブリッド車が国土交通大臣認定を取得した実績もある)。

このように互いに切磋琢磨を続けて軽自動車全体の底上げをも実現してきたワゴンRとムーヴ。

現在はスーパーハイト軽ワゴンが人気の中心となり、ホンダのNシリーズという強大なライバル車も登場しているが、ワゴンRスマイルとムーヴ・キャンバスのように、次世代の軽自動車のブームを作り上げるのもまたこの2車種なのかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。
  • 編集

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

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