【尊い…】ランボルギーニ・ウラカンSTO サーキットで自在、レーサー直系の醍醐味とは

公開 : 2021.10.22 11:25

コーナーへ ハンドリングは自在

注目は、エンジン出力がダイレクトに伝わる「トロフェオ」モードにある。瞬時にレブリミットへと向かい、回転リミッターの連打を避ける意味でも、レッドゾーンに入る手前で右のパドルを引きシフトアップ。

驚くほど軽快で鋭い0-100km/h加速(公称値:3秒!)はもちろん凄まじいが、0-200km/hの9秒というタイムこそ驚く。

ランボルギーニ・ウラカンSTO
ランボルギーニウラカンSTO

実際に富士の最終コーナーを2速フルパワーで立ち上がり、3、4とリズミカルにシフトアップ。5速8500rpmでADVANゲートをくぐる時には、230km/hの速度に達している。

1339kgという重量を感じさせない車速のノリは、何とも軽快でフォーミュラマシンのようだ。

容易に危険な速度域に達してしまうSTOだけに、頭を抑えるペースカーも一流ドライバーが担当する。

筆者の抑え役は元フランスF3チャンプの福田良選手。氏の上手さは後続ドライバーの技量を瞬時に嗅ぎ分けること。追いつくと逃げて、その先でジワリと車間を縮める。つまり後続は減速タイミングを早くする必要がある。

6速は286km/hに達したところで減速開始。前走車が居なければアクセルを戻さずに第1コーナーへのアプローチまで行ける。

車体はビタッと地面に張り付いた安定性があり、ステアリングを左右に転舵してラインを変えることも自在。280km/h時に420kgものダウンフォースが加わるのだから、当然と言えば当然である。

公称の最高速度は310km/h。富士の約1.4kmの直線では距離が足りない可能性もあるが、現実的な数値であるのは間違いない。

分析 なぜ、こんなに曲がるのか?

出てしまった、出してしまった速度を急減速するブレーキ力は頼もしい限りだが、ここにも空力による安定性が加わり、躊躇なくブレーキペダルを踏み込める。

ノーズダイブせず、テールリフトも感じない前後の姿勢。(荷重バランスを保ちながら)車体全体で沈み込み、後方に引き戻されるかのようなブレーキ力があるからこそ、最高速度に挑みたい気持ちにさせられる。いや、はやる気持ちは危険危険。

ウラカンSTOの内装。会場には、左ハンドル仕様、右ハンドル仕様の両方が持ち込まれた。
ウラカンSTOの内装。会場には、左ハンドル仕様、右ハンドル仕様の両方が持ち込まれた。

第1コーナーを立ち上がり、左のコカコーラ・コーナーへは速度調整のブレーキとともにステアリングを左に。呆気ないほどスッと入るノーズがインを向き、アウトにはらむことなく曲がっていく。

続く右の100Rコーナーは、古くから富士の難所。ここを高い車速を保ったまま、想い描くライン取りで通過できるか否かがものを言う。……と、考える間もなくあっさりクリアしてしまう。

後輪操舵を感じることはないが、曲げる方向にアシストして、安定性も保っているのは間違いない。

しかしここでもメインは、前輪の舵角に応じた接地力の高さと、必要最小舵角で曲げる力にある。

通常は曲がり切れないために、旋回のアウト側に一旦はらみ、立ち上がりに向けてクリッピングポイントを奥深くに取る。そこを前輪がギリギリ通過するようにツジツマを合わせる。

ところがSTO、平然と曲がるので、アクセルをどこまで踏み込んでいられるのか、と挑戦したい気持ちにさせられる。

旋回中の横Gの高さに、通常はレーシングマシンでしか味わえないヘルメットの重さを感じるほどだ。

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