ハンドリング by ロータス 前編 キア・エランへ再試乗 オリジナルの美点を継承
公開 : 2021.11.01 08:25
ロータスの良さが受け継がれている
いすゞのターボエンジンより、重量も軽いのではないだろうか。ロータス・エランはアンダーステアが条件次第で出ていたが、キアはアクセルペダルを放してステアリングを切り込めば、ノーズを巻き込んでいける。
車高はロータス時代より高めてあるが、中国ブランドのタイヤを履いていても、コーナリング限界は驚くほど高い。不思議なほど乗り心地も良い。オリジナルの良さが受け継がれている。
外から眺めると、柔らかいサスペンションがボディを傾ける様子がわかる。しかし乗っている限り、しっかり抑制され正確な操縦性を楽しめる。大きなエアバッグが付いたステアリングホイールは見た目が悪いが、フィーリングも記憶以上に良かった。
それでは、もしキア・エランの中古車が豊富にあり、筆者が初代マツダ・ロードスターのオーナーだったとして、買い換えようと思うだろうか。恐らく答えはノー。ロータスのM100エランと同様に、改めて評価する部分は多い。でも恋には落ちない。
ただし、ロータス・エランとキア・エランが同じ条件で並んでいたとして、ロータスを選択するのが必ずしも正解だとは思わない。ブランドイメージが左右するとはいえ。
25年ぶりにM100エランを運転できて、うれしかった。新車時代は評価が伸びず、課題も少なくなかった。だがクラシックカーとして使い勝手は良く、個性が濃く、技術的な特徴も多い。
記憶に残るドライビング体験を味わえる、キア・エラン。今の時代にあって、従来以上に輝きを増しているように思う。
この続きは後編にて。