ランボルギーニ・ウラカンLP610-4

公開 : 2014.05.02 22:50  更新 : 2017.05.29 19:21

■どんなクルマ?

ラ フェラーリマクラーレンP1と直接比較対象すべきスーパーカーではない。というのも、このランボルギーニウラカンは、少なくとも今後3年間はランボルギーニにとって最も重要なモデルであり、その計画されている販売数は、ラ フェラーリやマクラーレンP1の比ではないからだ。

そのスタイリングには当初いくつかの制限がされると噂されていた。というのも来年登場する予定の次世代のアウディR8と主要コンポーネンツを共用しなければならないからだ。しかし、2003年から2013年の11年に約14,000台を販売したガヤルドのリプレイス・モデルは、予想に反して、シンプルなほどアグレッシブなスタイリングで姿をわれわれの目の前に表した。

ウラカンのシャシーは、次世代のアウディR8と共用するRTNカーボンファイバーとアルミニウムの複合素材を使用する。ランボルギーニによれば、カーボン・モノコックと同じぐらいの強度と剛性をもちながらも、例えばアクシデントでクラッシュしたとしても、その修理費用はカーボン・モノコックよりもはるかに安価に済むという。

エンジンは、R8やガヤルドでお馴染みの5.2ℓV10。しかしガヤルドに搭載されていたものよりもチューンナップされ、そのパワーは610ps、トルクは57.1kg-mとなっている。パフォーマンスは、0-100km/h加速が3.2秒以下、そしてトップスピードは325km/hとされる。それでいて、アイドリング・ストップなどが組み込まれた結果、10%以上もエミッションが改善されているという。

ギアボックスは、不器用な6速eギアが遂に7速のデュアル・クラッチへと置き換えられた。と同時に、マニュアル・ギアボックスはオプション・リストにも掲載されないこととなった。

サスペンションは前後ともダブル・ウィッシュボーンで、電子ダンパーとアンチロールバーを備える。また、カーボン・セラミック・ブレーキは標準で、更にはフェラーリのマネッティーノと似たアニマ・ボタンを備える。ちなみにアニマとはイタリア語で魂を意味する。このステアリング・ホイールに取り付けられたアニマ・ボタンでコントロールできるのは、ダンパー、エンジン・マッピング、ステアリング・ギアボックス、4WDドライブ、トラクション・コントロールだ。

キャビンの佇まいはランボルギーニそのもの。バケットシートと12.3インチのTFTスクリーンが用意される。また、パドル・シフトのレバーは、ガヤルドよりも太くされているのも特徴的だ。

■どんな感じ?

スタータ・ボタンを押すとV10エンジンは目覚める。そのエビデンスはガヤルドから受け継がれたものでもある。V10サウンドを奏でながら1000rpm前後で、あなたの背後でアイドリングを続ける様は、古式ゆかしきスーパーカーだ。

しかし、一旦スタートすると、ガヤルドよりも優雅で快適なフィーリングを持つ。ステアリング・レスポンス、スロットルの重さ、エグゾースト・ノート、そして乗り心地など、すべてになめらかな感じがする。それでいて、従来のV10スーパーカーのワイルドさも兼ね備えているのだ。

とはいうものの、ガヤルドよりもはるかに多くの電子デバイスが使用されている。デジタルによるセーフティ・ネットが多用されているのだ。これは、2014年のランボルギーニには必要な装備なのだろう。

そのため、ウラカンは、ガヤルドよりも遥かに美しく走らせることができるモデルだ。ドライブもイージーで毎日運転するにも何の問題もない。

コーナリングでは終始若干のアンダーステアに徹する。電子デバイスから開放されるコルサ・モードにすれば話は別ではるが。しかし、総じてそのフィーリングは、サンタアガータの味付けよりも、インゴルシュタットの影が感じられるのも事実だ。

ウラカンをドライブして感じたことは、これがランボルギーニにとっては大きな進歩であるということだ。大きなジャンプであることに間違いはない。

■「買い」か?

ドライブしていて楽しいクルマだ。そして何よりも最新のモデルであり、熱いランボルギーニのスピリットを持ったモデルである。
それが縮小傾向にあるヨーロッパやアメリカ市場よりも、伸びゆく中国市場をターゲットにしたモデルであろうとも。

(スティーブ・サトクリフ)

ランボルギーニ・ウラカンLP610-4

価格 £180,720(3,122万円)
最高速度 325km/h
0-100km/h加速 3.2秒
燃費 8.0km/ℓ
CO2排出量 290g/km
乾燥重量 1532kg
エンジン V型10気筒5204cc
最高出力 610ps/8250rpm
最大トルク 57.1kg-m/6500rpm
ギアボックス 7速DCT

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