サンビーム 3リッター・スーパースポーツ 初代オーナーは地上最速の男 前編
公開 : 2021.11.13 07:05 更新 : 2022.08.08 07:22
自動車初採用の美しいセルロース塗装
「品質や歴史を考えると、サンビームのツインカムはお手頃といえます」。と説明するのは、専門家のジョン・ポルソン氏。セグレイブの美しい3リッター・スーパースポーツを、オーナーの代理として17万5000ポンド(2712万円)で売りに出している。
この金額では、レストア費用を賄うことができないはず。「ビンテージカーへの造詣の深いエンスージァストによって、維持されてきました。現オーナーが高齢で運転できなくなり、新しいオーナーを探しているのです」
長めのツアラー・シャシーがデビューしたのは1926年。当初からスーパースポーツとして、アイボリーのボディとワイヤーホイールをまとう大胆なルックスを、グリーンのサイクルフェンダーとシャシーが引き立てていた。
ダッシュボードもアイボリー・レザーで仕立てられ、メーターは白い盤面で統一。シートは、フェンダーと同じグリーンでコーディネートしてある。
ニッケル・シルバーのトリムが眩しいが、特に注目を集めたのは自動車として初採用された、セルロース塗装だった。それまでブラシで塗られていたのに対し、スプレー塗装のため光沢は段違い。乾燥が速く、生産性も高めていた。
ボディスタイルは、独立したフェンダーと露出したシャシー、サイドのランニングボードが特徴。ドアは左右でずらされ、フロントシート用は左側に、広々としたリアシート用は右側に付いている。
この続きは後編にて。