【詳細データテスト】BMW 5シリーズ 高い完成度 動力性能と燃費を高次元で両立 個性は不足気味
公開 : 2021.10.30 20:25 更新 : 2021.11.05 02:40
快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
運動性能には中途半端さが目についたが、その代わりに乗り心地は静かでしなやかだ。よほど路面が荒れていなければ、オプションの20インチタイヤを履いていても、ひどくキツいことにはならない。ロードノイズが多少増す程度だ。小さく鋭い入力も、大きい突き上げも、同じようにうまく吸収する。
安くない出費でアダプティブダンパーを追加した場合、やや腹立たしくなるのは、その調整が楽ではないことだ。走行モードを中間セッティングのスポーツインディヴィジュアルにしないと、ダンパーをソフトな設定にすることはできない。しかも、そのメニューがすぐに呼び出せないのだ。
ただし、アダプティブダンパーが所期の役割をきちんと果たしてくれるのはありがたい。路面に応じて自動的に、硬めるべきところは硬く、ゆるめるべきところではゆるくなるので、車体の水平姿勢と快適性が保たれる。わざわざドライバーが調整しようと思うことは、ほとんどないはずだ。
メカニカルな洗練性には満足できる。エンジンが回っていても、80km/h走行時の室内騒音は63dBAで、高級車としてもなかなかの静粛性。高速走行時の風切り音も、きっちり抑えられている。