ポルシェ911ターボ・カブリオレ
公開 : 2014.05.07 22:40 更新 : 2017.05.29 19:05
■どんなクルマ?
ヴァイザッハのエンジニアは997と991のカブリオレをクーペ・ボディのような緻密でカッチリとしたものにに仕上げることに全身全霊をかけてチェレンジしてきた。そして今回のカブリオレ、これまでに類を見ない完成度を手にしたのである。
だがしかし、よく聞いて欲しい。もちろんこれほどまでに完成度が高いとなれば、価格もそれなりである。オプションを何も装着しない素の状態で£129,223(1910万円)、我々がテストした車両は(必須の)スポーツクロノ付き、また何だかんだのオプション(今となってはもう恒例)をつけていたために£140,000(2073万円)に届こうとしていた。
■どんな感じ?
少なくとも動力性能においては、お金で買える最も速くベストなオープン・スーパー・スポーツであるのは間違いない。ターボ過給されるフラット・シックスは520psを叩き出し、オーバー・ブースト時であろうとなかろうと、67.2〜72.3kg-mのトルクを発生する。
同様に、1595kgのボディを100km/hまで3.4秒で引っぱり、最高速度は314km/h。もはやクーペと比べて何の遜色もない。そして思い出して欲しい。最近はターボ・モデルに標準装備されるようになったポルシェの素晴らしきPDKは、比類なき速度と効率を手にすることが可能なのである。
さて、ではなぜ£3,092(46万円)もするスポーツ・クロノが必須なのであろうか。それはスポーツ・クロノを装着することによって、コーナリング時にリアアクスルから生じる慣性力を抑えてくれる ”ダイナミック・エンジン・マウント” が一緒についてくるからである。平たく言うと、乗り心地を引き締め、ハンドリングを上手く制御してくれると言った感じだ。ポルシェのエンジニア曰く、ターボ・カブリオレにこそつけて欲しいオプションなのだそうだ。「そんなこと言うなら、最初っから付けてくれたっていいじゃないか」そうですよね、そうおっしゃると思いますとも。ただ、ポルシェ社内のマーケティング vs エンジニア で議論させると、10対0でマーケティング部門の勝利になるんですから、致し方ない。
他にも印象深いポイントはある。荒れた路面での微振動は置いておいて、それ以外はクーペと何ら変わりなく走らせることが出来る。またオープン時の風の巻き込みの処理も非常に上手く印象的だった。
■「買い」か?
もちろん。もし、お金に余裕があるのなら。スポーツ・クロノも一緒に装着して0-100km/hをローンチ・コントロールとともに全開で走ってほしい。3.2秒まで短縮を可能にしてくれるのだから。
いままでの何代もの先輩モデルたちと比較してもより優れて、シャープになっていることに硬派なクルマ好きも大賛成していただけるはずだ。
(スティーブ・サトクリフ)
ポルシェ911ターボ・カブリオレ
価格 | £129,223(1910万円) |
最高速度 | 314km/h |
0-100km/h加速 | 3.4秒 |
燃費 | 12.3km/ℓ |
CO2排出量 | 231g/km |
乾燥重量 | 1595kg |
エンジン | 水平対向6気筒3800ccツインターボ |
最高出力 | 520ps/6000-6500rpm |
最大トルク | 67.2kg-m/1950-5000rpm |
ギアボックス | 7速デュアル・クラッチ |