ホームビルド・スポーツカー 後編 バックラーにオースチン、トルネード ほか
公開 : 2021.11.20 07:06 更新 : 2022.08.08 07:21
トルネード・テンペスト(オーナー:デイブ・マリンズ)
トルネード・カーズ社は、大胆なデザインのFRPボディにラダーフレーム・シャシーを組み合わせたスペシャル・モデルを販売していた。
複数のモデルが作られており、タイフーンは1172ccエンジンを載せたモデル。このテンペストはフォード105E用のエンジンが前提で、フロント・サスペンションにはウイッシュボーンとコイルが組まれていた。リア側もリジッドアクスルながらコイルだ。
サンダーボルトも同様な構成だが、エンジンはトライアンフTR3用。完成させれば、レースで優れた成績を残すことができた。
市場の変化に合わせ、トルネード・カーズは1962年にフルキット・モデルとしてグランドツアラーのタリスマンを発売。上級モデルへシフトしている。1964年に倒産するまで、180台程が工場から出荷された。
トルネード・カーズに詳しいオーナーのデイブ・マリンズ氏によれば、テンペストのキットは15台分しか売れていないという。そのうち残存は4台のみ。1台は、スペインの博物館にあるそうだ。
多くのスペシャル・モデルと同様に、このテンペストも多難な人生を歩んできた。最初のオーナーは身長が高く、独特なファストバックボディへ改造。その後、エスコート用エンジンを載せてホットロッドとして走っていたという。
デイブが購入したのは1980年。リビルドに10年ほどを費やしている。エンジンはフォードの105Eへ戻したが、ファストバック風のボディは新車時の改造として残している。
彼によれば、現在の交通環境でも乗りやすいとのこと。これまでの30年の間に、約6万5000kmを走っている。