【デザイン/性能/詳細は?】5代目となる新型レンジローバー 英国発表 悪路もイケる最上級SUV

公開 : 2021.10.28 06:05  更新 : 2021.10.28 09:30

3.0L 直6のPHEVも登場

パワートレインは一新された。4気筒エンジンはラインナップから落ち、プラグイン・ハイブリッド車は性能を大幅に向上させたパワートレインを採用、最上位モデルではスーパーチャージャー付きの5.0L V8からBMW製ツインターボに変更されている。

まず、ベースとなるのは3.0L直列6気筒で、いずれも48Vマイルド・ハイブリッドシステムを搭載し、出力はエントリーモデルのD250で250ps、P400が400psとなっている(いずれも英国仕様)。

新型ランドローバー・レンジローバー
新型ランドローバーレンジローバー    ランドローバー

これらに加えて、2022年には新たに38.2kWhのバッテリーを搭載したプラグイン・ハイブリッド車が登場する予定で、WLTP認定のEV走行距離は100kmとされている。3.0L 直列6気筒エンジンに電気モーターを組み合わせ、440psと63kg-m、または510psと71.2kg-mを発揮。一般的なユーザーの移動距離の75%を電力だけで走行できるとされている。

また、50kWの充電容量を備えているため、1時間以内に80%の充電が可能だ。回生ブレーキシステムも搭載し、移動中に電力を補充することができる。

V8モデルは、BMWの最もパワフルなモデルとエンジンを共有している。最高出力530ps、最大トルク76.3kg-mを誇り、静止状態から100km/hまで4.6秒で到達することがでる。燃費も現行のSVRに比べて17%向上している。

ランドローバーによると、このエンジンの開発には当初から携わっており、レンジローバーV8は独自の性能特性を持つようにチューニングが施されているとのこと。また、オフロードでの走行も見据え、専用設計のサンプ、エアインテーク、強化リブを備えている。

また、各モデルには、牽引や低速でのオフロード走行に適したローレンジ設定が可能なZF社製8速ATが搭載されている。

ディフェンダー並の悪路走破性

サスペンションとステアリングは完全に見直され、オンロードでの快適性を向上させながら、オフロード性能も維持しているという。

専用の「ウェーディング」モードでは、ディフェンダーと同じ水深900mmに対応している。デパーチャーアングル29度、アプローチアングル34.7度で、最大45度の角度で走行することができる。グランドクリアランスは295mmで、4段階のサスペンション設定のうち最も高い設定にすると、さらに145mm高くなる。

新型ランドローバー・レンジローバー
新型ランドローバー・レンジローバー    ランドローバー

「ターマック」モードでは、142.5kg-mのトルクを誇る48Vのアンチロールシステムが、コーナリング時の過度なボディロールを防ぐ。全輪操舵システムも標準装備され、低速時には後輪を前輪とは逆方向に最大7度回転させ、回転円をフォルクスワーゲン・ゴルフとほぼ同じ10.95mまで小さくすることができる。高速走行時には、後輪と前輪を同じ方向に回転させることで、安定性と応答性を向上させる。

レンジローバーでは初めて5リンク式リアアクスルを採用し、より高い調整性を実現した。5ミリ秒以内に衝撃に反応するツインバルブのビルシュタイン製ダンパーは、リバウンドとコンプレッションを自由に調整することができる。また、速度に応じて自動的に16mmのローダウンを行い、空力性能を改善することで、燃費が2%も向上するとのことだ。

エアサスペンションの機能も大幅にアップしており、新たに「インテグレーテッド・シャシー・コントロール」システムが採用された。このシステムは、ナビゲーションデータを利用して、最大3km先の道路の段差やくぼみを予測し、それに応じてサスペンションが反応するように準備する。また、加速時や減速時の荷重移動やボディの動きを緩和し、緊急時の操作に備えることができる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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