【大人のオープン】新型メルセデスAMG SL 世界初公開 4輪駆動&4輪操舵システム採用

公開 : 2021.10.29 06:05

メルセデスAMGは2+2の高級ロードスター「SL」の最新型を公開。ルーフは15秒でオープン可能です。

7代目を迎えた高級オープン

メルセデスは、7代目となる新型SLを公開した。従来のファブリックルーフと2+2レイアウトを継承し、4輪駆動と4輪操舵を標準装備している。

R232世代のSLはメルセデスの高性能ブランドであるAMGが開発し、来年初めに欧州で発売される予定だ。ドライブトレイン、シャシー、電気系統などの主要コンポーネントは、2023年に発売予定の2代目AMG GTと共有することになっている。

スペースフレームと自立したボディ構造からなる全く新しいアルミニウム製プラットフォームを採用し、MRA(モジュラー・リア・アーキテクチャー)プラットフォームの先代SLに比べて、大幅に高い剛性を実現している。現行のGTロードスターが採用しているプラットフォームと比較しても、横方向の剛性が50%、縦方向の剛性が40%向上しているという。

AMGの最高技術責任者であるヨッヘン・ヘルマンは、「既存の構造体の上に構築することなく、ゼロからスタートすることができた」と述べ、新型SLのボディシェルの重量がわずか270kgであることを明らかにした。

AMGによると、新しいプラットフォームのさらなる利点として、エンジンとアクスルを従来よりも低い位置に搭載できることが挙げられるという。これにより、全体的な低重心化が図られ、ダイナミクスが向上した。

AMG最新世代のデザインに

初代SLが登場してから67年が経過した今回のモデルは、まったく新しい外観を採用している。

全体的なシルエットは小型のGTロードスターに似ているが、重厚な構造のフロントバンパーや、冷却の必要性に応じて開閉するルーバーを備えたパナメリカーナグリル、CLS風のシャープなアダプティブLEDヘッドライトなどを採用し、現行の6代目モデルとは一線を画すアグレッシブなフロントエンドを実現している。

新型メルセデスAMG SL 55
新型メルセデスAMG SL 55    メルセデスAMG

また、高速走行時のフロントアクスルの浮き上がりを抑えるために、アクティブ・フロントスポイラーが装備された。エンジン前方のアンダーボディに隠されたカーボンファイバー製のスポイラーは、80km/hで自動的に40mm下がってベンチュリー効果を生み出し、ダウンフォースを強化する。

長いボンネットには2つのパワードームを備えており、初期のSLを彷彿とさせる。キャビンは、大きく曲線を描いたフロントガラスと、横転時にリアバルクヘッドから伸びる2つのロールバーで保護されている。ボディから突き出たフェンダーの下には、直径19インチから21インチのアルミホイールが装着されている。

また、4代目SL以来、初めて3層構造のファブリックルーフを採用した。先代のメタルルーフに比べて21kgの軽量化を実現したこのルーフは、センターコンソールのスイッチまたはインフォテインメント・ディスプレイで操作することができ、開閉操作の進捗状況がアニメーションで表示される。ヒーター付きのガラス製リアスクリーンを備えたファブリックルーフは、キャビン後部の専用ウェルに収納され、15秒で完全に折りたたまれるという。

リアは、大きな収納スペースを必要とするメタルルーフを廃止したことで、これまでのモデルに比べてよりスタイリッシュな印象を与えている。しかし、トランク容量はルーフを上げた状態で240L、下げた状態では213Lと、現行モデル(264Lと155L)より少なくなっている。

一方で、AMGは実用性の低下を補うために、後席に身長152cm(5フィート)までの乗員を乗せることができるとしており、これまでにはなかったファミリー向けの魅力を表現している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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