【万能スポーツカー?】冬でも乗りたいクーペ・カブリオレ 20選 いいとこ取りのオープンエア

公開 : 2021.10.31 06:05

金属製ルーフを備えた「クーペ・カブリオレ」は、季節を問わず快適に楽しめる万能スポーツカーかもしれません。

いいとこ取りか、中途半端な代物か

2000年前後にブームとなったクーペ・カブリオレ(CC、リトラクタブル・ハードトップ)については、意見が分かれるところだ。好意的な意見としては、四季を通じて快適に使用できるクーペの金属製ルーフと、晴れた日にはオープンエアを楽しむことができるという、両方の長所を兼ね備えているといったものがある。

一方で、重い、機構が複雑、雨漏りがする、場合によっては醜い代物であるというネガティブな意見もある。クーペ・カブリオレにどのようなイメージをお持ちであれ、今回はこの冬、ドライバーを熱狂させるクールなモデルを紹介する。はじめに、クーペ・カブリオレの歴史について簡単に振り返りたい。

レクサスSC430
レクサスSC430

プジョー402エクリプス

まずは歴史から。フランスの歯科医であり、自動車デザイナーでもあるジョルジュ・ポーランは、現代のクーペ・カブリオレのパイオニアとして知られている。「エクリプス」と名付けられた開閉式ハードトップルーフのデザインと特許は、1935年にプジョーが購入し、401エクリプスに初めて搭載された。エクリプス402(写真)は、ポーリンのアイデアを購入したプジョーが最初に製造したモデルである。

プジョー402エクリプス
プジョー402エクリプス

クライスラー・サンダーボルト

今から100年ほど前、ベン・P・エラベックという米国人が、ハドソンのクーペに開閉式ハードトップを搭載するというアイデアを考案したが、生産には至らなかった。その後、1941年にクライスラーがサンダーボルトを発表。スイッチを押すと、電動式のハードトップがシートの後ろのスペースに収納され、トランクにはスライド式のリアデッキリッドを介してアクセスすることができた。

クライスラー・サンダーボルト
クライスラー・サンダーボルト

フォード・フェアレーン500スカイライナー

クーペ・カブリオレのアイデアは、プレイボーイ・オートモービル・カンパニーをはじめとする企業や発明家たちが考えていたが、CCのバトンはフォードに託された。フェアレーン500スカイライナーは、リトラクタブル・ハードトップルーフというコンセプトを世に広めたクルマである。エンジニアリングの偉業とも言えるこのクルマは、高価であったにもかかわらず、4万8394人もの人々が購入した。

フォード・フェアレーン500スカイライナー
フォード・フェアレーン500スカイライナー

メルセデス・ベンツSLK

クーペ・カブリオレは、スカイライナーの終焉とともに消滅した。トヨタソアラ・エアロキャビン(1989年)や三菱GTOスパイダー(1995年)など、復活の兆しはあったが、CCの人気を再燃させたのはメルセデス・ベンツだった。初代R170 SLKは1996年にデビューし、30秒以内で開閉できる折りたたみ式のバリオルーフを備えていた。

メルセデス・ベンツSLK
メルセデス・ベンツSLK

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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