BMW X4 Mコンペティションへ試乗 小変更 M史上最速SUV M3と同パワー 前編

公開 : 2021.11.08 08:25

新フェイスでマイナーチェンジが図られたX4 M。その内側の改良こそ注目ポイントだと、英国編集部は評価します。

X4がモデル中期のマイナーチェンジ

執筆:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
BMWアルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオやポルシェ・マカンGTS、メルセデスAMG GLC 63クーペなどの対抗馬として、X4 Mコンペティションを投入してから2年が経過する。高性能SUVに、小さくない影響を与えたモデルだ。

そんな豪腕のBMWが、モデル中期に当たるマイナーチェンジを受けた。クラス内での強さを誇示するために。

BMW X4 Mコンペティション(欧州仕様)
BMW X4 Mコンペティション(欧州仕様)

実用性で勝るボディスタイルのX3 Mコンペティションと同様に、2022年仕様のX4 Mコンペティションの見た目で特徴となるのが、フロントバンパー両サイドに切られた、縦長のエアインテーク。左右がつながったキドニーグリルは、僅かに大きくなっている。

アダプティブLEDとなる、ヘッドライトの造形も改められた。全体的に、しっかり見た目のイメージチェンジが図られている。

新しいフロントバンパーは、高速域でのリフト量の軽減と、エンジンやフロントブレーキの冷却効率を高めるとBMWは機能面を主張する。だが、同時期にアップデートされた標準のX4との一層の差別化も、狙っているはずだ。

フロントまわりのお化粧直しに感心しながらリア側へ回り込んでみると、変化は限定的だった。より造形が複雑になった、LEDテールライトが目立った違い。テールリッドに載る黒いリップスポイラーも新しいという。

リアバンパーは、下側を中心にデザインに手が加えられた。太い4本出しのマフラーカッターの間に、ディフューザー風の処理が与えられている。

510psと66.1kg-mの3.0L直6ツインターボ

選べるアルミホイールにも、新デザインが登場。1本あたり2kgもの軽量化が得られるという、21インチのMコンペティション・ホイールが選択肢として加わった。

シャープな峰が走るボンネットの内側には、マイナーチェンジで改良を受けたBMW MのS58エンジンを搭載。3.0Lのツインターボ直列6気筒で、新設計の鍛造クランクシャフトと制御ソフトウェアが与えられている。

BMW X4 Mコンペティション(欧州仕様)
BMW X4 Mコンペティション(欧州仕様)

最高出力は以前と変わらず510psだが、最大トルクは5.1kg-mも増強。2750rpmから5500rpmの回転数で、M3と同値の66.1kg-mを発揮するようになった。

トランスミッションは、トルクコンバーター式の8速AT。こちらも改良が施されている。ステアリングホイールには、シフトパドルが付く。可変式四輪駆動システム、M xドライブを搭載するが、こちらはM3やM4、M5などと共有するという。

ドライブロジックとBMWが呼ぶ、ドライブモードの数と幅は非常に大きい。エンジンにトランスミッション、M xドライブ、サスペンション、ステアリング、DSC(ダイナミック・スタビリティコントロール)の特性を、個別にドライバーが調整できる。

試乗車が装備していたホイールは、前後ともに20インチ。フロントが245/45、リアが275/40というサイズの、ピレリPゼロ・タイヤが組まれていた。英国では一番選ばれるセットになるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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