テスラ、急速充電施設を他社製EVにも開放 オランダで試験運用開始 各国で開放求める声
公開 : 2021.11.02 18:05
テスラ専用の充電ネットワークが他社製EVでも利用できるようになります。オランダで試験運用が始まりました。
規制当局から開放の声が高まる
テスラは、オランダ国内にある10か所の充電施設、スーパーチャージャーを他社のEVでも利用できるようにする試験的な運用を開始した。
EV企業であるテスラの専用スーパーチャージャー・ネットワークは、世界中に2万5000以上の急速充電ポイントを持つまでに成長し、同社の成功の鍵を握るものと考えられている。
しかし、各国の規制当局からは、すべてのEVドライバーがどの急速充電施設にもアクセスできる、業界標準の「ユニバーサル」な充電ネットワークの構築を求める声が高まっている。
テスラのイーロン・マスクCEOは先日、他社のEV用にネットワークを開放する準備をしていることを示唆した。同社は声明の中で、「スーパーチャージャー・ネットワークをテスラ以外のEVにも開放し、そうすることでより多くのドライバーにEVを利用してもらうことが我々の目標だった」と述べている。
また、「この動きは、世界の持続可能なエネルギーへの移行を加速させるという当社のミッションを直接サポートするもの」としている。
今回の試験運用では、オランダ国内の10か所のステーションが、テスラ製アプリを通じて他社製EVでも利用可能になる。オランダのドライバーのみを対象としており、CCS充電プラグを搭載したクルマであることが条件となっている。
テスラのドライバーは引き続き、試験運用の対象となっているスーパーチャージャー・ステーションを利用することができる。一方、テスラ車以外のドライバーは、さまざまな車種に対応できるようにするための「追加コスト」が発生するため、支払う料金が高くなる。
テスラは料金の違いを明確にしておらず、施設ごとに、また需要に応じて変わるとしている。
テスラ車のドライバーの多くは、スーパーチャージャー・ネットワークへの独占的なアクセスが、テスラを所有する主な利点であると考えているため、この動きは議論を呼びそうだ。
同社は、他社製EVにもネットワークの利用を認めることで、将来的にはより迅速な拡張が可能になるとし、今後は「利用可能な容量がある場合」に限り、アクセスを開放すると述べている。
今回の試みは、現時点では試験的なものだが、テスラは今後も「積極的にネットワークを拡大し、最終的には世界中のすべてのスーパーチャージャーで、テスラのドライバーとテスラ以外のドライバーの両方を受け入れることができるようにする」計画であると述べている。