ライバルとは一線を画す希少性と独創性

走り終えて、改めてカルメン・ブローニュを観察してみる。落ち着いて見るほどに、ディティールにも感心させられる。生産台数は少数に限定されるが、機能的な面でも抜かりはない。

例えば、モニター式のメーターパネルとダッシュボード中央のタッチモニターは、非常に美しいグラフィックで描画される。衝突警告システムも備わり、先行車両との速度差が大きすぎる場合にアラームで教えてくれるほか、その距離も表示してくれる。

イスパノ・スイザがカルメンに設定した目標台数がすべて売れたとしても、合わせて24台。その希少性や独創性は極めて高い。

カルメンは、ロータス・エヴァイヤやリマック・ネヴェラに並ぶ動的能力を備えるモデル、というだけではない。その高価なライバル・モデルとは一線を画す、デザイン性の高さとラグジュアリーな質感を兼ね備えてもいる。

今回は残念ながら、カタルーニャ・サーキットでの運転に限られた。しかし、ほぼ無音のパワートレインと印象的なほどに洗練された質感を持ち、公道走行も相当な得意分野になるのではないだろうか。

イスパノ・スイザ・カルメン・ブローニュ（欧州仕様）のスペック

英国価格：165万ユーロ（2億5575万円）
全長：4733mm
全幅：2040mm
全高：1242mm
最高速度：289km/h
0-100km/h加速：2.6秒
航続距離：402km
CO2排出量：−
車両重量：1690kg
パワートレイン：クワッド永久磁石AC同期モーター
バッテリー：80.0kWhリチウムイオン（実容量）
最高出力：1114ps
最大トルク：117.0kg-m
ギアボックス：シングルスピード

画像　1114psのスーパーEV　イスパノ・スイザ・カルメン　往年のJ12と、競合する純EV　全104枚