セアト・レオン・エコモーティブ
公開 : 2014.05.08 22:40 更新 : 2017.05.29 18:44
■どんなクルマ?
未だかつて無い高効率なモデルで馬力アップが図られた1.6ℓTDIディーゼル・エンジンをその動力源とする。105psから110psになったものの、25.5kg-mのトルクは据え置きである。
他には、コーナリング・ドラッグ(旋回時における進行方向の抵抗)を10%低減させる目的でノーマルより15mm車高を下げられ、ユニークなグリルがあしらわれている。乾燥重量は先代比-90kgの減量に成功した。
超低燃費タイヤと、新しく採用された6速マニュアル・ギアボックスは燃費向上にも一役買っている。
それらの努力の成果は数字として明らかな結果を出しており、総合的な走行を行った上での燃費は36.4km/ℓ、CO2排出量は87g/kmとなる。
ライバルとして並べるべきはフォルクスワーゲン・ゴルフ・ブルーモーションであるが、その燃費は37.5km/ℓ、CO2排出量は85g/kmとレオンよりも優れた結果を出すものの、291万円のレオンに対して297万円という車両価格になる。
■どんな感じ?
非常に経済的だ。36.4km/ℓの燃費は、我々のテストを行った際に出すことは出来なかったものの、25.3km/ℓという計測結果は賞賛に値する。もしあなたが高速道路を頻繁に利用し長距離を走るのであれば36.4km/ℓを達成することもそう難しいことではないはずだ。
110psを発生する1.6ℓのディーゼル・エンジンは低速からの力強さはあるが、特に高速走行をする際はキャビンに大きな音が流れ込み、風切り音やタイヤ・ノイズも大きい。
また、長いギア・レシオが結果として問題を浮き彫りにさせた。特に発進時と斜面での加速時にはエンジンを減速させることは容易いことではなかった。
ハンドリングはクイックかつ正確でタウン・ユースには好印象だったものの、車高が下げられたお陰で乗り心地は良くなかった。
喜ばしいことに内装にも改良が加えられているため、現代的とはいえないが人間工学的にも優れ、建て付けも好印象だ。従ってドライバーやパッセンジャーの両方にとって機能的で心地よいものであるといえる。
クルーズ・コントロールやエアコン、ブルートゥース接続、セアト製タッチ・スクリーンが標準で装備される。DABラジオや衛星ナビゲーション・システム、LEDヘッド・ライトを含むフリー・テクノロジー・パックを追加すれば、より一層満足できることだろう。
■「買い」か?
ノーだ。スタンダード・モデルからの燃費向上がわずか4.80km/ℓであるにも関わらず、価格は大きく上昇している。
また改良されたはずの部分が、速度を増すにつれて裏目に出すぎている。そしてスタンダー・モデルよりも良い燃費を出すには高速道路の多用と、運転スキルが余儀なくされる。
また£990(14万6000円)のエキストラ・コストに値するプレミアム感を得ることが出来るかといえば、そうとは言い切れない。同時にスタンダード・モデルでさえも公表値31.6km/ℓ、CO2排出量99g/kmを得ているのだから。
個人的に所有するのであれば、1.6TDIに軍配が上がり、議論はここで終了だ。一方、社用車としての使用を考えるのであれば、20%程度月々の支払いを削減することが可能である。
あとは、わずかながらの経済性の向上に対してどれくらいの投資ができるかどうか、あなた次第だ。
(ダレン・モス)
セアト・レオン・エコモーティブ
価格 | £19,660(297万円) |
最高速度 | 196km/h |
0-100km/h加速 | 10.4秒 |
燃費 | 36.4km/ℓ |
CO2排出量 | 87g/km |
乾燥重量 | 1260kg |
エンジン | 直列4気筒1598ccディーゼル |
最高出力 | 110ps/3200rpm |
最大トルク | 25.5kg-m/1500rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |