三菱アウトランダーPHEV新型登場 パジェロ時代の「輝き」取り戻せる?
公開 : 2021.11.09 05:45
エクリプス・クロスPHEVとは別物
三菱のPHEVといえば当然、エクリプス・クロスPHEVがある。
筆者もこれまで、メディア向け試乗会などで公道で試乗し、S-AWC制御に代表されるランエボ譲りの三菱らしいオンロードでのスポーティドライブからオフロードでの安心した走りまでを堪能してきた。
そのうえで今回、「エクリプス・クロスPHEVとの、電動化システムの差はどこにあるのか?」と聞いた。
すると、長岡副社長は「一言でいえば、『すべて変わっている』と断言するほど、大幅な変更だと指摘したのだ。
搭載するエンジンこそ、4B12 MIVEC(直列4気筒/排気量2.359cc)で同じだが、フロントモーター、リアモーター、そしてモーターとインバーターとの連携したリアユニット、駆動用バッテリの容量拡大など、「電動コンポーネンツとしては刷新した」と表現する。
そのうえで、「S-AWCを活用した走りの技術は継承している」という。
さらに、ルノー/日産/三菱アライアンスにおける、電動化での連携についても聞いた。
この点については、アライアンスの中でPHEV技術は三菱が主導するが、いわゆるEアーキテクチャーと呼ばれる電子部品全体の制御技術はアライアンスと協業した。
そのほか、高度運転支援システムやインフォテインメントの領域ではアライアンスによる技術や部品の共通性を図ったという。
新しい挑戦と三菱らしさ再確認
また、別の視点でも質問した。
発表動画の中では、「ライフスタイル」や「人中心」とした商品訴求が中心だった。
こうした、いわゆる「ことづくり」の事業化を、コネクティビティ技術を活用し、メーカー/販売店/ユーザーとの関係性の今後をどう変化させていくのか、という点だ。
これについて、加藤社長は「(世の中に)いろいろなサービスが出てきているが、果敢に挑戦する」と意欲を示したうえで、「大事なことは、2つある」と指摘した。
1つは、新しい取り組み、例えばサブスクリプションモデル、スマートキーを使うカーシェアリング、そしてオンライン販売など、時代の変化にしっかりついていくことだ。
実際、アメリカでは日系メーカーとして始めて、商談から決済までオンラインで完結できるバーシャルショールームを実用化している。
「グローバルで検討中で、最終的には日本でも考えていきたい」という。
もう1つは、「三菱らしさ」の再確認だ。
「例えばラリーアートの復活のように、三菱がいままで培った来たものの中で、ブランドとして残すべきもの、ユーザーに喜んで頂けことは何かを考えていく」という姿勢だ。
新型アウトランダーPHEVが、三菱の新時代に向けてのターニングポイントになることは間違いない。