マツダCX-5 新型の注目は、3つのスタイリング SUV市場は多様化へ

公開 : 2021.11.08 11:30  更新 : 2021.12.13 21:15

都市型イメージが先行? 届いた声

リアはコンビランプをヘッドランプ同様、2つの楕円が重なるようなグラフィックとしたほか、バンパー下部のブラックアウトした部分の高さを上げ、厚みを出すことで安定感を強調した。

それ以上に特筆すべきはライフスタイルの多様化に合わせ、エクステリアのスタイルを増やしたことだ。

改良新型マツダCX-5 XDエクスクルーシブモード(スノーブレイクホワイトパール)
改良新型マツダCX-5 XDエクスクルーシブモード(スノーブレイクホワイトパール)    宮澤佳久

「エクスクルーシブモード」「スポーツアピアランス」「フィールドジャーニー」という特別仕様車の設定で、エクスクルーシブモード以外は新規投入になる。既存のスマートエディション、ブラックトーンエディションとあわせて、5つの特別仕様車が用意された形だ。

これについて開発主査の松岡英樹氏は次のように説明した。

「CX-5には洗練された都会の乗り物というイメージが染み付いているようで、これまでもエクスクルーシブモードが販売の20%を占めていました。さらに昨年登場させたブラックトーンエディションは30%にも達しました」

「一方でエンジニアからは、AWDの性能を見た目でアピールしきれていないという声もありました」

“光沢感”推し スポーツアピアランス

そこでエクスクルーシブモードを継続し、ブラックトーンエディションの流れをスポーツアピアランスに発展させつつ、アウトドアテイストを強調するグレードとして、フィールドジャーニーを用意したようだ。

エクスクルーシブモード(写真白)は、従来はブラックだったサイドシルやバンパー下端もボディ色として、一体感を持たせた。

改良新型マツダCX-5 XDスポーツアピアランス(ソウルレッドメタリック)
改良新型マツダCX-5 XDスポーツアピアランス(ソウルレッドメタリック)    宮澤佳久

インテリアは従来どおり、ブラックとディープレッドの2トーンにつや消しのリアルウッドを入れ、シックな雰囲気を漂わせている。

スポーツアピアランス(写真赤)はボディ下部のブラック部分をグロス仕上げとして、精悍に見せつつ上質感も強調。

グリルのシグネチャーはブラッククロームとした。インテリアが赤とグレーのステッチ、カーボン調パネルが目立つ。

ステッチの色は初代ロードスターのボディカラーがモチーフとのことだ。

四駆らしさで フィールドジャーニー

もっとも目を引くのはフィールドジャーニー(写真灰褐色)だ。

砂型鋳造に使う砂にヒントを得た新色、ジルコンサンドグレーメタリックに塗られたそれは、これまでのマツダにはなかった雰囲気を漂わせていた。

改良新型マツダCX-5 20Sフィールドジャーニー(ジルコンサンドメタリック)
改良新型マツダCX-5 20Sフィールドジャーニー(ジルコンサンドメタリック)    宮澤佳久

エクステリアはまず、バンパー下部やサイドシルのブラックに、シルバーのアクセントを入れたことが目立つ。バンパーのそれはアンダーガード風の造形だ。

スポーツアピアランスにもあるグリルの差し色は、若手デザイナーがスケッチに遊び心で入れたものを採用したという。

インテリアはアウトドアファッションにヒントを得たというライムグリーンを、エアコンルーバー周囲やシートのグラフィックなどに採用。

シートは表皮をエンボス加工し、最近のマツダのメッセージの1つである「背骨を立てて乗る」意味を込めたそうだ。

ビジュアル面の話題が多い新型CX-5であるが、走りもレベルアップを図っている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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