BMW 半導体不足を受けタッチスクリーン非搭載の車両販売開始 米国
公開 : 2021.11.09 18:25
BMWは米国でタッチスクリーン非搭載車の販売を開始。半導体不足の影響を抑え、生産量維持のための措置です。
タッチ機能を除外したディスプレイ
世界的な半導体不足が自動車業界を襲う中、BMWは生産量を維持するためにタッチスクリーンを搭載しないクルマの販売を開始した。
米国のフォーラム「Bimmerfest」に投稿された内容によると、米国では3シリーズ、4シリーズ、X3、X4、X7、Z4の購入者に対し、500ドル(約5万6000円)分のオプション用クレジットと引き換えに、タッチスクリーンを非搭載とする選択肢が用意されているとのことだ。
投稿者のジョナサン・シェーファー氏は、カリフォルニア州サンタマリアにあるBMWディーラーのインターネット・セールス・マネージャーである。彼は次のように語っている。
「この数か月間、一部のオプション内容に制限があったにもかかわらず、予定していた生産台数の大半を維持することができました。しかし、第4四半期に入ってからは、制限の範囲が拡大しています」
「年末まで生産レベルを維持するために、今週から生産を開始するいくつかの車両のセンター・インフォメーション・ディスプレイからタッチ機能を除外することを決定しました」
この変更は、BMWの車載システム「iドライブ」の機能には影響を与えず、引き続きセンターコンソールのロータリーダイアルを使って操作することもできる。しかし、クルマを駐車スペースに誘導するバックアップ・アシスタント機能には対応していないため、これも除外される。
シェイファー氏は、ディーラーが販売後に対象車にタッチ機能を後付けすることはできないだろうと述べた。
BMWの米国スパータンバーグ工場では現在、タッチスクリーン非搭載車が生産ラインを走っているが、このオプションがいつまで継続されるかはまだ不明だ。AUTOCARはBMWに問い合わせたが、影響の範囲については明らかにしなかった。
「業界全体のサプライチェーンの問題は、世界中の自動車製造に影響を及ぼしており、場合によっては一部の機能やオプションの利用が一時的に制限されることもあります」と同社は述べている。
英国のディーラーでは、顧客と連絡を取り、既存の注文に影響がある場合について話し合っているという。
サプライチェーンの問題に直面してオプションリストを変更したのは、BMWが初めてではない。9月には、欧州フォードがクロスオーバー車のプーマに運転支援機能を搭載せずに販売していることが判明したほか、ボルボはXC60の安全機能の一部を一時的に除外した。