波乱万丈 マツダ「モノづくり思想」の原点はコルクにあった 経営者「松田重次郎」の足跡
公開 : 2021.11.15 05:45
株で大失敗 「モノづくり」へ
当時は、1918年(大正7年)まで続いた第一次世界大戦での好景気の余波があり、株価が高騰していた。これに松田重次郎氏は、少なからぬ資金を投入する。
ところが、1920年(大正9年)3月15日に株が大暴落。戦後恐慌と呼ばれる不況だ。
この大暴落で、松田重次郎氏は、かつてないほどの大損をし、大いに反省したともいう。
この株の大暴落の翌年となる1921年(大正10年)に松田重次郎氏は、正式に東洋コルク工業の社長に就任。
コルクの研究に始まり、新製品の開発など、積極経営に乗り出すことになる。そこから、現在のマツダへと続く歴史がスタートするのだ。
モノづくりの才能を武器に、寒村から、関西の経済界で注目の人物にまで上り詰めた人物が松田重次郎氏であった。
その人物を迎えたからこそ、東洋コルク工業は、今のような世界的な自動車メーカーにまで発展することができたのだ。