マクラーレン・グループ、アウディによる買収を否定
公開 : 2021.11.15 22:25 更新 : 2021.11.15 22:40
アウディがマクラーレンを買収するという報道を、マクラーレン側が否定しました。最新情報をお伝えします。
マクラーレン・グループの所有形態に変更なし
マクラーレンが、アウディによって買収されるとの報道を否定した。
AUTOCARの情報筋は、アウディがF1への参戦を確実なものにするため、マクラーレン・グループを買収するとしていたが、この報道をマクラーレンが否定した形になる。
声明では、今回の報道は「まったく不正確なもの」とされており、「マクラーレンの技術戦略は、現在進んでいる話し合いや、関係のある自動車メーカーなどのパートナーやサプライヤーとのコラボレーションとともにありますが、マクラーレン・グループの所有形態に変更はございません」と付け加えた。
昨年末に最大5億ポンド(約760億円)の借り換えを行って資本を注入したにもかかわらず、厳しい財務状況に置かれていたマクラーレン。買収についての情報が、8年間CEOを務めたマイク・フルーイット氏の先月の退任と関連しているかどうかは不明。
アウディはマクラーレンの買収を行えば、ランボルギーニに加えてもう1つのスーパーカーブランドを手に入れることになる。また、アウディのエンジンがマクラーレンに搭載される可能性も出てくるところだった。さらに、評価の高いマクラーレン・アプライド(公道・サーキット両用の電動化システムを専門とする部門)の管理権も得られただろう。
両社の提携が、リマックとブガッティとの間で合意されたパートナーシップにどのような影響を与えるかは不明だ。このパートナーシップは、ハイパーカーのリマック・ネヴェーラと、間もなく引退するブガッティ・シロンの後継となる完全EVの開発を目的として考案されたものだ。
なお、アウディのスポークスマンは、現時点では公式なコメントを発信していない。
F1の観点から見ると、買収が実現するなら、アウディを所有するフォルクスワーゲン・グループがグランプリレースに直接アクセスできるようになる。フォルクスワーゲンは、今後導入予定の新しいF1パワートレインの仕様に関する議論に参加しており、モータースポーツへのコミットメントを公然と検討してきた。
また、アウディの兄弟ブランドであるポルシェのF1参戦の可能性がなくなったわけではない。先日、モータースポーツ部門の新しい責任者であるトーマス・ローデンバッハはAUTOCARに対し、ポルシェもF1復帰を検討していると語った。
ポルシェは、既存のF1チームのパワートレイン・パートナーとして参入する可能性が最も高いと考えられており、現在ミルトンキーンズに独立したパワートレイン部門を設立中のレッドブルがそのような契約を結ぶのではないかと考えられている。