世界で最も奇抜なクルマ 48選 前編 「変わり者」のレッテルを貼られた名車・珍車

公開 : 2021.11.20 06:05

オースチンヒーレー・スプライト

初代スプライトは、英国では「フロッグアイ(カエルの目)」、米国では「バグアイ(虫の目)」と呼ばれている。ボンネットの上に非格納式のヘッドライトを出していたことから、このような愛称がつけられた。

スプライトがこのような姿をしていたのは、わずか3年間。1961年から1971年まで(ほとんど同じMGミゼットの場合は1979年まで)は、まったく異なるエレガントなデザインが採用された。しかし、多くのエンスージアストの心に残っているのは、この奇妙なフロッグアイなのである。

オースチン・ヒーレー・スプライト
オースチン・ヒーレー・スプライト

ベントレーベンテイガ

ベンテイガは、2010年代にSUV市場に新規参入したベントレーが投入した高級SUVである。2015年の発売時から十分に奇抜でユニークな存在であったが、その後、アストン マーティンDBXランボルギーニウルスマセラティレヴァンテロールス・ロイスカリナンなど、ライバルが数多く加わった。

その中でもベンテイガは、物議を醸すような外観から異彩を放っているが、2012年のジュネーブ・モーターショーで発表されたコンセプト「EXP 9 F」に比べれば、穏やかなものだ。

ベントレー・ベンテイガ
ベントレー・ベンテイガ

BMW i3

i3は、BMWが発売したクルマの中でも最も奇抜なデザインを持つクルマの1つと言ってもいい。2013年に発売されたi3のスタイリングは、今見ても非常に個性的である。奇妙なクルマと言われるゆえんは、見た目だけではない。その構造は複雑で、アルミニウムとカーボンファイバーが多用されているのだ。

i3には、完全EVと、レンジエクステンダー(発電機)として小型ガソリンエンジンを搭載したタイプがある。ほとんどの市販EVには、この2つのタイプのうちどちらか一方が設定されているが、両方を同時に検討することはできない。

BMW i3
BMW i3

BMW Z1

1989年から1991年にかけて発売されたZ1は、BMWのデザインを踏襲しつつも、異彩を放っていた。下方に開くドアが最大の特徴だが、高度な空力特性や、後のモデルにも採用されたマルチリンク式リアサスペンションなど、魅力的な要素も多かった。

さらに、プラスチック製のボディパネルは取り外しが可能だった。理論的には、異なる色のパネルを装着することで、近所の人に新しいZ1を買ったと思わせることができた。

BMW Z1
BMW Z1

ブガッティ・ロワイヤル

ブガッティは、ニッチなマーケティングを極限まで追求し、欧州の王族以外には手の届かない超高級車を作った。残念ながら、その生産のほとんどは、王族でさえ財政に目を光らせなければならなかった大恐慌の時代に行われた。

そのため、ロワイヤルは価格設定により当時から浮いた存在であり、現在も希少性の高さゆえに変わり者であり続けている。しかし、12.7Lのエンジン(市販車に搭載されたものとしては最大級)は当時としてはそれほど珍しくなかったようで、1950年代にはまだフランスの列車の動力として使用されていたという。

ブガッティ・ロワイヤル
ブガッティ・ロワイヤル

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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