世界で最も奇抜なクルマ 48選 前編 「変わり者」のレッテルを貼られた名車・珍車

公開 : 2021.11.20 06:05

シボレーSSR

世紀の変わり目には、フィアット500やミニ、フォルクスワーゲンビートルなど、レトロなスタイルのクルマが流行した。その中でも特に異彩を放っていたのが、5.3L(後に6.0L)のV8エンジンを搭載し、リトラクタブル・ハードトップを備えたピックアップトラック、シボレーSSRである。

1940年代後半から1950年代半ばにかけてのシボレー・アドバンス・デザインやGMCニュー・デザイン・トラックへのオマージュと、現代性を融合させた特異なスタイリングである。SSRは、2003年から2006年まで生産され、2005年から2011年まで生産されたHHR(レトロなクロスオーバーで、パネルバンとしても使用可能)と時期が重なっていた。

シボレーSSR
シボレーSSR

クライスラー・クロスファイア

ダイムラーとクライスラーが9年間に渡って合併したことにより、クライスラー・クロスファイアという珍しい2人乗りのスポーツカーが誕生した。初代メルセデスSLKのプラットフォームをベースに、3.2Lのメルセデス製V6エンジンを搭載したクロスファイアは、スーパーチャージャーの有無にかかわらず、開発費は特に高くなかったはずだ。

クロスファイアは2003年に発売されたが、2007年にダイムラーがクライスラーブランドの大半をプライベート・エクイティ・ファンドのサーベラス社に売却したことによる大混乱の中で、生き残ることができなかった。

クライスラー・クロスファイア
クライスラー・クロスファイア

クライスラーPTクルーザー

今世紀に入ってからPTクルーザーがデビューしたとき、レトロスタイルのクルマは特に目新しいものではなかった。しかし、PTクルーザーはネオンをベースにダッジやプリムスとして販売していたため、過去の特定のモデルを指すものではなく、1930年代の米国車全般を意味するものであった。

ホットロッドの雰囲気もあったが、ネオンをベースにしているため、V8で後輪を駆動するポール・マーストン(Paul Marston)のPTブルーザー・ドラッグスターを除き、4気筒で前輪を駆動していた。

クライスラーPTクルーザー
クライスラーPTクルーザー

シトロエンC3プルリエル

プルリエルを全力で擁護しようとする人はいるが、その人たちでさえ、あれが奇妙なマシンであったことは認めざるを得ない。初代シトロエンC3をベースにしたこのクルマは、さまざまなボディスタイルをとることができる。特に、ルーフレールを外せば、ハッチバックからコンバーチブルにすることができた。

問題は、そのレールを置く場所がないので、家に置いて雨が降らないことを祈るしかないことだった。温暖な南欧諸国では、これは受け入れられた。しかし、北欧ではそうはいかない。

シトロエンC3プルリエル
シトロエンC3プルリエル

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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