世界で最も奇抜なクルマ 48選 前編 「変わり者」のレッテルを貼られた名車・珍車

公開 : 2021.11.20 06:05

英国フォード・コンサル・クラシック

それまで大胆なデザインのクルマを作るメーカーという認識がなかったフォードは、1961年にコンサル・クラシックを英国市場に導入して混乱を招いた。

米国のトレンドに強い影響を受けたコンサル・クラシックは、4灯式ヘッドライトと逆勾配のリアウィンドウを備えている。後者は1959年からアングリアに採用されていたものだが、コンサル・クラシックでははるかに突飛な印象を与えていた。

英国フォード・コンサル・クラシック
英国フォード・コンサル・クラシック

コンサル・カプリと呼ばれるクーペ仕様は、リアウィンドウがよりオーソドックスなものになっていたが、それでも奇抜であることに変わりはなかった。1964年のクリスマスまでに2台とも生産中止となった。

フォード・モデルT

モデルT(T型フォード)は、製造中止となってから45年間、世界で最も売れたクルマという記録を保持していた。その事実に目を奪われ、このクルマが非常に奇妙なものであったことを忘れてはいけない。

特に、非常に特殊な運転技術を必要とした。主要な操作系の見た目はすべて従来通りだが、思った通りに動くのはステアリングホイールだけ。クラッチペダルで2段ある前進ギア(ロー・ハイ)のうちの1つを選択し、ステアリングコラムのレバーでスロットルと点火タイミングを調整し、減速したいときは右側のブレーキペダルを踏む、といった具合だ。

フォード・モデルT
フォード・モデルT

しかし、1908年から1927年の間に1500万台以上が販売されたということは、人々が運転のコツをつかむことができたということだ。

フォード・サンダーバード

古典的なサンダーバードは、間違いなく1970年以前に生産されたものだ。フォードは1997年まで10世代にわたってサンダーバードの名を継承し、2002年に11代目を復活させた。レトロなスタイルを採用し、1957年以来の2シーターのコンバーチブルボディを持つ。

ビーチ・ボーイズ結成前には成功していたフォーマットも、スパイス・ガールズの活動休止後は成功しなくなった。2002年の発売時には人気を博したものの、その後の販売台数は激減し、2005年にはサンダーバードの歴史にピリオドを打った。

フォード・サンダーバード
フォード・サンダーバード

ホンダインサイト

今では当たり前になっているハイブリッド車だが、かつては奇抜な存在だった。1990年代の基準から見ても、初代ホンダ・インサイトは非常に特異な存在だった。コンパクトな2ドアのクーペで、後輪の半分がスカートで覆われている。ホンダがこのスタイリングを採用した理由の1つは、空力的な助けを必要としたからである。

少し前に発売されたトヨタプリウスも異彩を放っていたが、インサイトほどの変わり種ではなかった。

ホンダ・インサイト
ホンダ・インサイト

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

おすすめ記事

 

人気記事