世界で最も奇抜なクルマ 48選 後編 「変わり者」のレッテルを貼られた名車・珍車
公開 : 2021.11.20 06:25 更新 : 2021.11.20 11:28
マトラ・ランチョ
ランチョは、1977年から1984年まで製造されたクロスオーバー車で、この言葉が浸透するずっと前のものである。シムカ1100をベースにした(正面から見るとよく似ている)このクルマは、2枚のドアの後ろにあるメインのボディワークがグラスファイバーで作られていた。
キャビンのリアセクションは、フロントセクションよりもはるかに広いヘッドルームを持ち、光を取り入れるためにウィンドウが増設されていた。ラゲッジスペースは驚異的で、特に上に積み上げる準備ができていればなおさらである。ランチョの主なウィークポイントは、1.4Lのガソリンエンジンで前輪のみを駆動するため、見た目よりもはるかにオフロード性能が低いことだった。
メルセデス・ベンツAクラス
2013年以降に製造されたメルセデスAクラスは、以前のモデルとは似ても似つかぬものとなっている。旧モデルは背が高く、前輪駆動であることから、従来のメルセデス製品とはすでに一線を画していた。
さらにすごいのは、サンドイッチ・フロア・システムを採用していたことだ。これは、衝突時にエンジンとトランスミッションが運転席と助手席の足元に押し込まれるというもの。しかし、1997年にスウェーデンで行われたテストで横転し、安全性の低さが指摘されてしまった。メルセデスは「クルマの過失ではない」としながらも、しばらくして適切な調整を行った。
メルセデス G 63 AMG 6×6
一般に販売されている6輪車は、どれも奇抜なものばかりである。中でも、メルセデスGクラスSUVの6×6は圧巻だった。6個の車輪は、AMG製の550ps近い出力を持つ5.5LツインターボV8エンジンで駆動される。歴代Gクラスの中で、これよりパワフルなのはV12 AMG G 65だけである。
この6×6は、オーストリアのマグナ・シュタイヤー社で2013年から2015年まで短期間生産されたが、非常に高価で、それに伴って非常に希少な存在となっている。
メルセデス・バネオ
前置きが長くなってしまうが、ドイツ語では「バン」という言葉が英語よりも広い意味を持つことに触れておく必要がある。そのため、英語圏の人は「バネオ」という名前から、バンを乗用車に改造したものだと思ってしまう。実際にはAクラスを長くしたもので、総容積の約70%が乗員と荷物のために使われていると謳うほどの広さを持っていた。
しかし、見た目はやはりバンであり、それがわずか3年で生産が中止された理由の1つでもある。