世界で最も奇抜なクルマ 48選 後編 「変わり者」のレッテルを貼られた名車・珍車

公開 : 2021.11.20 06:25  更新 : 2021.11.20 11:28

ルノー・アヴァンタイム

マトラが開発・製造したアヴァンタイムは、ルノーが21世紀初頭の激動の時代に販売した最も奇妙なクルマの1つである(ヴェルサティスなど特異な外見を持つクルマも販売していた)。

クーペとして販売されたアヴァンタイムは、実際にはMPVのエスパスをベースにしており、運転中はそのことを意識せざるを得なかった。とはいえ、矢印のようなスタイリングやダブルヒンジ式の重厚なサイドドアなど、エスパスらしからぬ特徴がある。

ルノー・アヴァンタイム
ルノー・アヴァンタイム

冒険的なクルマであることは誰もが認めるところであり、おそらくルノーが生み出した最大の変わり種である。しかし、それが人気に結びつくことはなく、ルノーはわずか2年で販売を中止した。

ルノー・トゥインゴ

第二次世界大戦後の20年間に発売されたルノーの小型車は、ほとんどがエンジンをリアに搭載していた。その中でも前輪駆動のルノー4は異彩を放っていた。現在、その称号は3代目トゥインゴに引き継がれている。トゥインゴは、スマート・フォーツーやフォーフォーとともに開発され、エンジンを乗員の後ろに搭載する21世紀唯一のルノー車である。

また、このようなタイプのクルマとしては1990年代半ばから後半にかけてのスパイダー以来、初めて販売されたモデルである。

ルノー・トゥインゴ
ルノー・トゥインゴ

ルノー・トゥイジー

この記事の中でトゥイジーは、BMW i3と共通の特徴を持っている。それは、最初に販売を開始してから約10年経った今日でも、新車で買うことができるということだ。

クルマではなく、電動の4輪車だが、その外観には目を奪われる。小さな車体にもかかわらず、身長180cmを超える大人2人が座っても十分なスペースがある。

ルノー・トゥイジー
ルノー・トゥイジー

ルノー・ヴェルサティス

無事に生産が終了した後、ルノーは高級セダンのサフランがフランスとドイツ以外では大失敗したことを認めた。当時のCEOであるルイ・シュバイツァーは、「これに懲りて、今後はオリジナリティを重視し、従来のセダンとは異なる個性的なデザインを打ち出していく」と語っている。

これは、アウディA6、BMW5シリーズ、メルセデスEクラスに興味を持つユーザーを対象としたヴェルサティスのコンセプトとなった。しかし、うまくはいかなかった。ヴェルサティスはサフラン同様、ドイツ勢のライバルには叶わなかった。

ルノー・ヴェルサティス
ルノー・ヴェルサティス

スマート・フォーツー

ダイムラーが所有するスマートの中で、フォーツーは特に奇抜なモデルであると同時に、最も成功したモデルでもある。

スマートは、ロードスターやロードスター・クーペ、三菱コルトをベースにしたフォーフォー、そして生まれてもいないSUVのフォルモアで、都市部以外のセグメントに参入しようと試みたが、プロジェクトは財政的な破綻につながってしまった。

スマート・フォーツー
スマート・フォーツー

3代目となったフォーツー(およびロングホイールベースのフォーフォー)は、初代モデルの基本コンセプトを踏襲している。スマートは数ある自動車メーカーの中でもユニークな存在だが、最初のコンセプトは間違っていなかったのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

おすすめ記事

 

人気記事