世界で最も奇抜なクルマ 48選 後編 「変わり者」のレッテルを貼られた名車・珍車
公開 : 2021.11.20 06:25 更新 : 2021.11.20 11:28
サンヨン・ロディウス
初代サンヨン・ロディウスのデザインは、本国韓国ではどんなに理にかなったものであっても、欧州市場のユーザーは戸惑いを隠せなかった。ポンティアック・アズテックとまではいかないが、それに近い独特のデザインであることは誰もが認めるところである。
実際、ロディウスは驚くほどの室内空間を持ち、コストもほとんどかからなかったので、非常に賢明な買い物だったと思う。しかし、このクルマが人々の記憶に残っているのは、やはりその見た目が奇妙だったからだ。
スズキ・ジムニー
3代目ジムニーは、20年に渡る生産が2018年に終了する前から、すでに古めかしい印象を受けていた。旧式のボディオンフレーム構造で、室内はひどく狭く、高速道路では絶対に必要以上に運転したくないものだった。
しかし、その一方で非常に安くて扱いやすく、街乗りに最適なクルマでもあった。おまけに、オフロードでも威力を発揮してくれた。変わり者ではあったが、似たようなライバルもほとんどなく、ファンには唯一無二の存在である。
トヨタ・エスティマ
初代エスティマの外観は、まさに「何もない巨大な空間を4輪で走らせる」というものだった。そのため、非常に実用的なMPVであった。また、前席の下に傾斜搭載されたエンジンが、後輪あるいは全輪を駆動するという、機械的な冒険も見られた。
初代は20世紀最後の10年間を通して販売され、海外でも「プレビア」の名で知られている。その後のモデルも魅力的になったと言えるが、初代と比較するとありきたりなものになってしまった。
トヨタ・ファンカーゴ
初代ヴィッツをベースに小型MPVを作るにあたり、トヨタはボディを上方向にしか伸ばさなかった。そのため、デザインにエレガントさを持たせることはできず(もっとも、他のメーカーでもできなかったことだが)、それが6年間しか生産されなかった理由の1つでもある。
しかし、デザイン上の不自然さはあったものの、小さな面積の中に広い室内空間を実現したことで、多くの人に支持された。海外では「ヤリス・ヴァーソ」の名で販売されている。
フォルクスワーゲン・フェートン
「フォルクスワーゲン」はドイツ語で「国民車」を意味する。そんなメーカーが高級セダンのフェートンを発売した時には皮肉に思えたものだ。フェートンは、デザイン的には非常に落ち着いているものの、高級車としての機能は十分に果たしていた。問題は、高級車を買える人たちが、必ずしもフォルクスワーゲンのバッジを付けたクルマを望んでいないことにあった。当のフォルクスワーゲンはアウディを傘下に置き、その需要に対応していた。
フェートンは2002年から2016年までと長く生産されたが、販売は常に期待外れだった。皮肉なことに、同じプラットフォームをベースとし、(これまた同じように)6.0L W12エンジンを搭載して、価格もはるかに高かったベントレー・コンチネンタルGTのほうが大いに成功している。