アウディRS6 eトロン 最高出力600psの高性能ワゴン 2023年頃登場か
公開 : 2021.11.17 06:05 更新 : 2021.11.17 13:57
TTクーペの後継モデルは?
PPEアーキテクチャーのもう1つの特徴は、大型SUVと低車高モデルの両サイズに対応できるように設計されており、ホイールベースの長さやバッテリー容量などに柔軟性が与えられていることだ。
例えば、ポルシェはこのプラットフォームをタイカンの下に位置する新型セダンに採用することを検討しているが、アウディも先行きが不透明なTTの電動後継モデルに採用することが可能だ。
昨年、AUTOCARは、マルクス・ドゥスマンCEOが進めているコスト統合プログラムの一環として、TTとR8がラインナップから淘汰される可能性があるという情報を掴んだ。しかし、PPEアーキテクチャーの柔軟性とフォルクスワーゲン・グループ内における部品共有により、電動の2ドア・スポーツカーを作ることができるかもしれない。
実際、アウディの幹部は2019年にAUTOCARに対し、販売不振によりTTの後継モデルの登場が脅かされていることから、その将来性については「感情的な議論」の対象になっていると語った。
ポルシェは、718ケイマンと718ボクスターの電動モデル向けに独自のプラットフォーム「eコア」の開発に取り組んでいる。バッテリーをシートの後ろに縦に積み重ねることで、現行のミドエンジン車の特徴的なハンドリング特性を模倣しようとしているのだ。
4人乗りフロントエンジンのTTの後継モデルには、このようなレイアウトは採用されないと予想され、候補としてはフラットフロアのPPEが有力だ。PPEを採用すれば、現行モデルと同様にリア駆動やクワトロ仕様が可能となり、実用性と優れた動力性能の両立が実現できる。
アウディ・スポーツの重要なモデル
クワトロ(1980年):
WRCのレギュレーションが緩和され、4輪駆動が可能になったことを利用した最初のラリーカーであるクワトロ。数多くのラリーで勝利を収め、後にタイトルを獲得する多くのマシンに採用される4輪駆動の先駆けとなった。
RS2アバント(1994年):
アウディのRSシリーズの原型となったこのクルマは、ポルシェが開発した実用的なワゴンで、クワトロ・システムの効果により、0-48km/h加速ではマクラーレンF1よりも速かった。
RS6(2002年):
初代RS6は、洗練されたセダンと広々としたワゴンの2タイプがあり、アウディの有名な「Qカー」の先例となった。限定生産されたRS6プラスは、480psのコスワースV8を搭載し、最高速度280km/hを達成した。
R8(2006年):
ル・マンで優勝したプロトタイプにちなんで名付けられたR8は、アウディ初の本格的なスーパーカーだ。発売当初はV8、後にV10をラインナップし、2000年代後半のスーパーカーシーンの中心的存在となった。
RS eトロンGT(2021年):
アウディ初の量産型高性能EVであり、同社がこれまでに生産した市販車の中で最もパワフルな645psを発揮する。アウディのスポーツカーに新しい時代をもたらした。