フィスカー・オーシャン 新型電動SUV 量産仕様発表 ライバルはQ4 eトロンやiX3

公開 : 2021.11.18 09:10

BMW iX3などのライバルとなる純EVのフィスカー・オーシャンが量産体制に。英国上陸は、2023年が予定されています。

生産はオーストリアのマグナ・シュタイア

執筆:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
まったく新しい純EV、フィスカー・オーシャンの量産体制が整ったとして、2021年のロサンゼルス・モーターショーでその姿が発表された。生産を請け負うのは、オーストリアに拠点を置くマグナ・シュタイア社となる。

このオーシャンは、アウディQ4 eトロンBMW iX3などをライバルとするSUVで、定員は5名。航続距離は最長563kmがうたわれている。2023年中頃に英国へも上陸予定だ。

フィスカー・オーシャン・プロトタイプ
フィスカー・オーシャン・プロトタイプ

試験的なパイロット生産は、今週にも始まるとのこと。衝突試験や型式認証を進めるという。フィスカー社は、オーシャンが真のSUVと呼べるモデルになると、自信を見せている。

スタイリングは、2019年のコンセプトカーをなぞったもの。スリムなヘッドライトに短いオーバーハングを備え、ロー&ワイドなプロポーションは存在感も強い。これからフィスカー社が複数展開するであろうモデルにも、影響を与えるはずだ。

このクラスのSUVとして目新しいのが、カリフォルニア・モードと呼ばれるコンバーチブル・スタイルへ変化すること。すべてのサイドウインドウを開き、ルーフを折り畳むことができる。

また、リアシートの乗員がクルマの様々な機能を操作できる、リムジンモードも備わる。ダッシュボード中央のインフォテインメント用タッチモニターは17.1インチで、停止中に横長から縦長へ、回転させることも可能だという。

持続可能性にも意識は払われている。漁網やTシャツ、ゴムなどをリサイクルした素材をインテリアに利用しており、「世界で最もサスティナブルな純EV」になると、フィスカー社は主張している。

航続距離は402kmから563km

オーシャンのグレードには、3段階が用意される見込み。0-97km/h加速を6.6秒でこなす、278psの駆動用モーターをフロントに搭載したエントリーグレードが、スポーツ。

ウルトラでは、前後に駆動用モーターが搭載され、総合での最高出力は547psへ上昇。0-97km/h加速を3.9秒に縮める。トップグレードがエクストリームで、最高出力557psを獲得。0-97km/h加速は3.6秒へ向上するという。

ドライブモードの名前も個性的。アースとファンと呼ばれるモードが用意される。エントリーグレード以外には、動的特性を高めるハイパー・モードも設定される。また、エクストリームにはオフロード・モードも追加となる。

バッテリー容量は発表されていないが、航続距離は北米のEPA値で402kmから563kmを得る見込み。仕様次第だが、欧州のWLTP値に換算すると少し長くなる可能性が高い。

ウルトラとエクストリームのオーシャンには、ニッケル・マンガン・コバルト(NMC)セル・バッテリーを搭載する計画で、供給元は中国のCATL社。フィスカーによれば、セグメントをリードする航続距離と動力性能を提供できるとしている。

充電能力も未公表。少なくともオーシャンは、年間で最大3600kmぶんの電気を充電できるソーラーパネルを、ルーフに搭載している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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