帰ってきたSEMAショー 主役は「ブロンコ」 広がるフォードの可能性
公開 : 2021.11.21 05:45
帰ってきたSEMAショーのフォードブースはブロンコが主役。フォードの今後にも期待が高まります。
帰ってきたSEMAショー
フォードのSEMAショー2021出展車両が世界的に大きな話題になった。
それもそのはず、ブロンコにマーヴィック、さらにレンジャーからF-150ラプターまでド派手にカスタイマイズするというのだから。
世界最大級の自動車アフターマーケット見本市として知られる、SEMAショーが帰ってくる。
新型コロナ感染症拡大の影響で、昨年(2020年)は米ネバダ州ラスベガスコンベンションセンターでのリアル開催を見送り、ヴァーチャルでの商品紹介にとどめていた。
SEMAとは、スペシャリティ・エクイップメント・マーケット・アソシエーションというアメリカの自動車部品メーカーなどが作る業界団体で、毎年11月にSEMA加入企業による大イベントを開催してきた。
時代を振り返ってみると、筆者(桃田健史)は1980年代からSEMAショーを取材してきたが、90年代中旬頃までは、あくまでも自動車の部品ショーというイメージが強かった。
アメリカでは、日本のようなオートバックスやイエローハットのように、個人向けの部品販売店がほとんどなく、自動車部品商といえば、自動車修理業向けの店舗が主体だった。
そのうえで、SEMAショーはピックアップトラックなどの商用車がメインで、乗用車向けはカーオーディオメーカーの出展が目立つ程度だった。
それが90年代後半に一気に変わった。
デトロイト3が一気に反撃
米ロサンゼルス周辺を起点として、インポートカーチューニングのブームが訪れたのだ。
インポートカー(輸入車)といっても、その多くは日本車だ。
アジア系マフィアを中心に、シビックやアキュラRSX(インテグラ)などを使った違法なストリードドラッグレースや、違法ドラッグの使用もうわさされていたショーと呼ばれる展示会などが広まった。
そうしたブームに、日本ではチューニングブームが下降し始めていた日系チューニングメーカーなどが相乗りした形だ。
こうした社会現象が、映画「ザ・ファースト・アンド・フューリアス(邦題ワイルド・スピード)」として公開され日本を含めたグローバルで大ヒットとなる。
そのためSEMAショーも一時、東京オートサロンのように日系チューニングカーの存在感が一気に増し、デトロイト3(GM・フォード・クライスラー/ダッジ(現在のステランティス)」は肩身が狭い時期があった。
だが、2000年代中盤には日系チューニングメーカーブームは一気に終焉。
これと入れ替わるようにして、デトロイト3は一気に反撃してきた。
なかでも、フォードはシェルビーを皮切りにマスタングをマッスルカーの原点回帰として位置付け、SEMAショーをセールスプロモーションの場として大々的に活用した。
そして……。