アルファ・ロメオ147 GTA 英国版中古車ガイド 車両の値段はV6エンジンの値段

公開 : 2021.12.07 08:25

シャシー能力以上にクイックなステアリング

現在の147 GTAの中古車を調べてみると、かなりの走行距離を刻んでいる例も多く、耐久性は悪くないようだ。それでも、サスペンションのリフレッシュなどは定期的に必要になる。

ステアリングの反応は、クイックな状態が正常。むしろ、シャシーが許容できる以上にクイックだった。乗り心地はしなやかながらコシがある。もしたるんでいる印象なら、思い切ってアイバッハやビルシュタインのコイルオーバー・キットに交換したい。

アルファ・ロメオ147 GTA(2002〜2005年/英国仕様)
アルファ・ロメオ147 GTA(2002〜2005年/英国仕様)

ボディは亜鉛メッキ処理されており、錆びにくいのが嬉しい。サビが出ているなら、過去にダメージを受けた部分か、修理が適切ではなかった証拠だろう。

車内にはレザーシートが奢られているが、表皮は意外にも堅牢。車載の機能がすべて動作するか、事前の確認は忘れずに。

コストが心配?イタリアン・クラシックカーなのだから、多少は当然と割り切るしかない。

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

タイミングベルトは、9万6000km毎か4年毎の交換が推奨。飛び石でダメージを受けやすい、フロントのオイルクーラーの状態を確かめたい。エンジンの下まわりを目視し、オイル漏れがないかも確認する。

後期型の場合は、高速走行時にオーバーヒート状態にならないか、試乗で確認したいところ。ウオーターポンプの水車、インペラーの破損で冷却性能が落ちることが原因だ。

トランスミッション

アルファ・ロメオ147 GTA(2002〜2005年/英国仕様)
アルファ・ロメオ147 GTA(2002〜2005年/英国仕様)

MTの場合は、ベアリングの摩耗で変速が重くなったり、引っ掛かりを感じるようになる。メインベアリング付近からのフルード漏れにも注意。クラッチペダルの動作は、試乗で確かめる。

セミオートマティックのセレスピードは、滑らかに変速されるか確認する。修理は安くできない。

ブレーキとサスペンション

フロントブレーキのパッドとディスクは、すぐに摩耗してしまう。減り具合は予め確認する。英国では250ポンド(約3万8000円)程度で部品は買える。

フロント側のウイッシュボーンは、11万kmほどで交換の必要が出てくる。アンチロールバーから異音が出ていないかも確かめる。

ショックアブソーバーも同じくらいの走行距離でヘタってくる。ガス漏れしていないか目視したい。3.2LのV6エンジンは重く、オリジナル状態ならブッシュ交換も必至。

ボディ

基本的に147 GTAは錆びにくい。だが、一部のクルマはフロントシート後ろ側のフロアで酷く錆びていることがあるようだ。過去の事故歴を確かめ、修理の状態を観察する。

赤い塗装は経年劣化で色あせしたり、クリア層が剥がれやすい。ドアハンドルにガタが出ていないか、開け閉めして確かめる。

インテリア

フォルクスワーゲン・ゴルフではないので、すべての機能が正常に動くか、入念にチェックしたい。仮に見た目は良くても。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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