誰も知らないスーパーカー 50選 後編 ひっそりと消えた不運な珍車・名車
公開 : 2021.11.27 06:25
フォルクスワーゲンW12(1997年)
1997年の東京モーターショーでフォルクスワーゲンが5.6LのW12クーペを発表したとき、反応が良ければ生産すると言われていた。そして、1998年のジュネーブ・モーターショーでW12ロードスターが発表。エンジンは6.0Lに拡大され、最高出力600ps、最高速度350km/hを達成するなど期待が高まった。
2002年のジュネーブ・モーターショーでは、改良型のW12クーペが発表されたが、フォルクスワーゲン・グループではW12エンジンを搭載したブガッティ・ヴェイロンを筆頭に、スーパーカーの開発が盛んに行われていたため、数か月のうちにこのプロジェクトは中止された。
パラディン525S(2000年)
525Sはスーパーカーのようには見えないが、フォード製の32バルブ4.6L V8スーパーチャージャーを搭載し、最高出力532ps、最大トルク63kg-mを発揮。0-97km/h加速3.8秒、最高速度330km/hというパフォーマンスを誇る。
まさにスーパーカーと呼ぶにふさわしいものだが、この性能はあくまでも宣伝文句であり、誰も公式に検証していないため、パラディン525Sが本当にスーパーカーだったかどうかはわからない。
クヴェール・マングスタ(1999年)
MG XPower SVとSVRを覚えているだろうか?デ・トマソ・ビグアから始まり、クヴェール・マングスタを経てMG X80となった。ブランド名とスタイリングは変わったが、全車共通で320psのフォード製4.6LクワッドカムV8を搭載し、最高速度は約240km/hに達していた。
しかし、クヴェールはすぐに採算が合わないことに気づき、MGローバーにプロジェクトを譲渡した。その後、約82台のXPowersを生産し、会社は消滅した。
サリーンS7(2000年)
フォード・マスタングをレース用にチューニングすることで有名になった、創業者スティーブ・サリーンにちなんで名付けられた。
多くのスーパーカーが最先端のテクノロジーを搭載しているのに対し、S7は比較的ローテクで、チューブ状のスチール製スペースフレームの上にグラスファイバーとカーボンファイバー製のボディシェルを載せ、そこにプッシュロッド式V8を搭載していたのだ。シンプルではあるが、猛烈な速さを誇っていた。
Bエンジニアリング・エドニス(2001年)
1995年に倒産したブガッティの従業員たちは、新たにBエンジニアリング社を立ち上げ、EB110に680psの3.75L V12を搭載したモデルを発表した。未完成のシャシーはニコラ・マテラッツィの手によって新しいデザインのボディに仕上げられた。
計画では21台のエドニスを製造する予定だったが、発表から17年後の2018年にプロジェクトは頓挫し、米国企業に売却された。