誰も知らないスーパーカー 50選 後編 ひっそりと消えた不運な珍車・名車

公開 : 2021.11.27 06:25

モスラーMT900(2001年)

あらゆるスーパーカーの設計要素を取り入れ、それらを融合させて生まれたのがモスラーMT900だ。見た目は平均的だが、心臓部にはコルベットZ06のV8を搭載し、ポルシェ911GT2のトランスミッションを介して後輪を駆動させることで、ライバルに負けない走りを実現している。

レーストラックで開発されたモスラーのカーボンファイバー製ボディシェルには、サスペンションのチタン製スプリング、薄肉のサブフレーム、マグネシウム製ホイールなどの最先端技術が詰め込まれている。だからこそ、0-160km/h加速でわずか6.5秒という速さを実現できたのだ。

モスラーMT900(2001年)
モスラーMT900(2001年)

ララキ・フルグラ(2002年)

モロッコのクルマの名前を聞かれたら、フルグラと答えよう。2002年のジュネーブ・モーターショーで初めて登場したララキは、2005年にギブアップするまで、毎年新しいスーパーカーを発表し続けた。

ランボルギーニムルシエラゴのようなサラブレッドに対抗するために設計されたフルグラは、フェラーリ360のコピーであり、マラネロは歯がゆい思いをしたに違いない。

ララキ・フルグラ(2002年)
ララキ・フルグラ(2002年)

メルセデス製の6.0L V12エンジンに4つのターボチャージャーを搭載して690psを達成し、最高速度は352km/hを謳っていたが、50万ユーロ(約6400万円)では買い手がつかなかった。

インビクタS1(2003年)

このクルマは、英国の小さな自動車メーカーの素晴らしさをすべて集約している。小屋にこもって、性能や生産台数についてありえない主張をするハイパーカーを次々と開発している人たちだ。比較的マイルドなもの(320ps)から真にワイルドなもの(600ps)まで、あらゆるオプションが用意され、毎年20台売れると期待された。

しかし、一流のスーパーカーメーカーから高性能なマシンが発売されていたため、インビクタに勝ち目はなく、2003年に登場して数年後にひっそりと姿を消したことにも誰も気づかなかった。

インビクタS1(2003年)
インビクタS1(2003年)

アスカリKZ-1(2004年)

2000年にアスカリKZ-1が発表されたが、発売されたのは2004年のことだった。アスカリはKZ-1を50台までしか製造しないとしていたが、23万5000ポンド(約3600万円)の価格と非常に低い知名度から、その数字にすら達しなかったのではないかと思われる。

KZ-1は、ミドマウントされたBMW M5(E39)のV8エンジンを搭載し、最高出力は500ps、最高速度は323km/h、0-160km/hはわずか8秒とされていた。

アスカリKZ-1(2004年)
アスカリKZ-1(2004年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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