誰も知らないスーパーカー 50選 後編 ひっそりと消えた不運な珍車・名車
公開 : 2021.11.27 06:25
SSCアルティメット・エアロ(2007年)
フランスのブガッティ・ヴェイロンが世界最速のクルマとして話題になった一方で、米国のSSCアルティメット・エアロは、コルベットの5.7LツインターボV8を搭載し、公式には412km/h、理論的には439km/hの可能性を秘めていた。
そんな性能にもかかわらず、アルティメット・エアロの価格はヴェイロンの半分以下であった。しかし、ブガッティはこの脅威に動じることなく、最高出力1200psのヴェイロン・スーパースポーツを発表し、最高速度431km/hを達成したのである。
ウェーバー・ファスター・ワン(2008年)
スイスの自動車メーカーであるウェーバーは、このクルマを「ファスター・ワン(Faster One)」と呼んでいたが、「アンゲインリー・ワン(Ungainly One)」と呼んだほうが適切だろう。存在感があったのは確かだ。
また、ボディ中央にはツインスーパーチャージャー付きの7.0L V8エンジンが搭載されており、その出力は900psに達すると言われている。その結果、最高400km/h以上で走ることができたとされているが、誰も検証したことがいない。
ファスター・ワンは、超軽量のカーボンファイバー製ボディとカーボンセラミックブレーキを装備し、オプションとして、インターネット接続機能とテレビを備えたマルチメディアシステム、サーキット走行用のデータロガー、4個の燃料タンクを備えていた。
ロン・スコーピオン(2009年)
ロン・マクスウェルが2009年にモナコで開催されたスーパーカーショー「Top Marques」でスコーピオンを発表したのは、これ以上ないほど悪いタイミングだった。ちょうど世界的な金融危機が発生し、スコーピオンのようなクルマを買う余裕はもはやなくなり、買える人も欲しがらなかったのである。
スコーピオンには、アキュラTLに搭載されていた450psのツインターボ3.5L V6が搭載され、水素噴射により燃焼を改善していた。しかし、買い手がつかず、マクスウェルはビジネスを終了せざるを得なかった。彼は2015年にロン・モーター・グループを設立し、新型のスコーピオンを発表することを目指している。
スパイカーC12ザガート(2009年)
C12ザガートが登場するまで、スパイカーはすべてアウディ製のV8エンジンを使用していた。このクルマにはアウディ製W12が搭載されており、価格は49万5000ユーロ(約6400万円)、生産台数は24台限定とされた。
実際にはショーカーしか作られなかったのだから、買い手がいなかったのだろう。