日産ジューク 1.0DiG-T DCTへ英国試乗 一新で実力向上 日本未導入の2代目

公開 : 2021.12.04 08:25

エンジンとDCTは高い速度域で好印象

1.0L 3気筒エンジンは、低回転域では力不足が否めない。だが中回転域から5000rpmくらいまでは調子良くパワー感が高まる。高速道路の速度域でも、粘り強くクルマを進めてくれる。

7速DCTは、滑らかな走行フィーリングと合っている。速めのスピードでも的確に、気づかないほど自然に変速をこなしてくれる。

日産ジューク 1.0 DiG-T 114テクナ DCT(英国仕様)
日産ジューク 1.0 DiG-T 114テクナ DCT(英国仕様)

今回、トルクコンバーター式ATを搭載したヴォグゾールモッカと乗り比べてみたが、ジュークの7速DCTの方が質感では上。シフトレバーのデザインがMT用のレバーのようで、印象も良い。

加えて燃費も良好。高速道路と市街地を複合的に走らせた今回は、15.4km/Lという数字が得られた。カタログ値からも大きく離れてはいない。

だたし、低速域での振る舞いは今ひとつ。ロータリー交差点での合流時など、少し強めの加速を求めると若干もたつく場面がある様子。MT車の走り出しでも似たような素振りは見られたから、トランスミッションが理由ではないのかもしれない。

大きなアルミホイールは見た目が良いものの、狭い縦列駐車などはガリ傷が心配で慎重になりがち。そんな場面では、7速DCTのギクシャクした挙動も感じられた。

もっとも、近年のクルマはWLTP値での燃費を稼ぐために、低速域が苦手なケースが少なくない。トランスミッションは筆者ならMTを好むが、MTでもDCTでも、好きな方を選んで良いだろう。

初代より明らかに高い競争力

モデルチェンジした2代目ジュークは、コンパクト・クロスオーバーのリーダー的存在とまではいえないものの、初代より高い競争力を獲得したことは間違いない。

確かに、スポーティさではフォード・プーマがカテゴリーでのトップ。運転のしやすさでも、ライバルモデルには及ばないかもしれない。それでも、ジュークは他にはない独特の魅力を備得ていることも事実だ。

日産ジューク 1.0 DiG-T 114テクナ DCT(英国仕様)
日産ジューク 1.0 DiG-T 114テクナ DCT(英国仕様)

日産ジュークが、英国で人気を集めている理由は充分に理解できる。毎日の通勤の相棒としても、充足度の高いモデルになってくれるだろう。

日産ジューク 1.0 DiG-T 114テクナ DCT(英国仕様)のスペック

英国価格:2万5800ポンド(397万円)
全長:4210mm
全幅:1800mm
全高:1595mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:11.8秒
燃費:16.1km/L
CO2排出量:138-141g/km
車両重量:1224kg
パワートレイン:直列3気筒999ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:113ps/5000rpm
最大トルク:20.4kg-m
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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