メルセデス・ベンツEQB 350へ試乗 7シーターの実用性 電動SUV登場 後編

公開 : 2021.12.02 08:26

幅広いユーザー層に訴求できる実力

ステアリングの操舵感にも感心させられた。ドライブモードに関わらず切り始めからダイレクトで、重み付けも丁度いい。手のひらには、充分なフィードバックも伝わってくる。

ただし、静止状態から前後の駆動用モーターが活躍するほどの加速を求めると、トルクステアが感取されるようではあった。

メルセデス・ベンツEQB 350 4マティック(欧州仕様)
メルセデス・ベンツEQB 350 4マティック(欧州仕様)

電気自動車にとって充電時間は重要な要素となるが、EQBの充電能力はDCで最大100kWまでと、こちらも競合の能力と比べると控えめ。それでも、DCなら最短32分でフル充電にできるという。11kWの出力のAC充電器なら、最短で5時間45分が必要になる。

メルセデス・ベンツEQBは、アウディQ4 eトロン・クワトロやBMW iX3などと、見事なライバル関係にある。内燃エンジン版のGLBが備える実用性と不満のない動力性能、快適な乗り心地をしっかり受け継いでいる。

確かに航続距離や充電能力は、日進月歩のなかにあってクラス平均程度。EQBが充電器とつながっている時間は、ライバルモデルよりは長くなるだろう。とはいえ、幅広いユーザー層に訴求できる実力を備えた、純EVクロスオーバーではある。

英国価格はまだ発表されていないが、メルセデス・ベンツGLAEQAとの価格差を参考にすると、GLBとEQBとの価格差は約1万ポンド(約154万円)になると考えられる。お手頃とはいえなさそうだ。

つまり、今回試乗したメルセデス・ベンツEQB 350 4マティックの英国価格は、5万5000ポンド(約847万円)前後になる見込み。英国での納車は、2022年の春からが予定されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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