特注色のラ フェラーリが3.2億円 RMサザビーズ・ロンドン・オークションを解説
公開 : 2021.11.27 21:25
珍しい色の「ラ フェラーリ」が、英オークションに登場。3億円オーバーで落札されました。出品車両の一覧と結果をレポートします。
主役は英国車か、スーパースポーツか
アメリカに本拠を構えるトップ・オークションハウスのRMサザビーズだが、11月はイギリスに舞台を移し15回目となるロンドン・オークションを開いた。
このオークションは、ロンドン・モーターウィークの一環として、ポールモールにあるロイヤル・オートモービル・クラブ(RAC)で開催されたもの。
イギリスのコレクターが好む英国車を中心に、ヴィンテージ期から現代までの右ハンドルの車両が数多く用意されたのが特徴といえる。
出品車両のリストには41台のコレクターズカーと、6点のフェラーリ関連を中心としたメモラビリアやキッズカーが並んだ。
主役と目されたのは、英国の栄光を象徴する1930年ベントレー4 1/2Lスーパーチャージド・ツアラー・ヴァンデン・プラと、1952年ジャガーCタイプ。
渋い出品車が多い中で注目された存在が、ヴィナッチィアという特注色のラ フェラーリと、走行1.6万マイル(約2.6万km)のポルシェ959コンフォートだった。
ラ フェラーリ 最高額を記録
オークションを終えてみれば落札率は63.4%とまずまずで、希少なモデルは落札されるものの、手に入れ易いモデルは残る結果となった。
落札総額は11億8809万円に達した。
最高落札額を記録したのは、ブドウの搾りかすを意味するヴィナッチィアと呼ばれる濃紫色のラ フェラーリで、予想額に一歩及ばなかったが3億2781万円で落札されている。
ポルシェ959コンフォートは予想額を上回る人気を集めて1億7720万円で決着がつき、新旧のスーパースポーツが1位、2位を占めた。
隠れた主役といえるのは、ザガートが1959年にデザインしたモデル。
当時は製造されることはなく、2016~17年に、ザガートでポルシェ356カレラ・クーペ・ザガート・サンクション・ロストとして製作された。
今回は、2台のみが作られたクーペのリクリエーション版が姿を現し、6532万円で落札されている。
あわせて、2016年にザガートで356Bをベースに復刻製作された356カレラ・スピードスター・ザガート・サンクション・ロストも競売の舞台に。こちらは6962万円で決着した。
変わったところでは走らないF1マシンである展示用のフェラーリF2003-GAが出品された。ショーカーとはいえマラネッロで製作された本物で、コレクターのガレージに欠かせぬ1台だけに3856万円まで値を上げた。