どれが好き? クルマ業界のブーム 35選 前編 実用的なアイデアと見た目だけのもの
公開 : 2021.12.04 06:05
外装ウッドパネル
1950年代までクルマのボディには木材が多用されていたため、外装に木材がむき出しになっているものが多く見られた。米国では「ウッディ」と呼ばれるこれらのクルマに触発されて、多くの米国メーカーがウッドパネルを採用。退屈なステーションワゴンに豪華さを加えたのである。
しかし、1980年代にミニバンが登場すると徐々に需要は減り、クライスラーのPTクルーザーがプラスチック製のウッド調パネルを採用したのを最後に、このトレンドは終わりを告げた。
大口径マフラー
競技車両のマフラーが大きいのは、パワーを最大限に発揮するために排気ガスをエンジンから素早く排出する必要があるという、単純な理由がある。量産車にこのサイズのマフラーを装備すると、通常は反社会的な音量にしかならない。
1960年代にアフターマーケットでのチューニングが定着して以来、大型のマフラーは、より速く走る人たちの特徴となっている。パフォーマンスが向上したような印象を与えるかもしれないが、競技車両のようにエンジンを改造していないと逆効果となり、結果的にパワーが低下してしまう場合が多い。
ライトのスモーク化
スモークのかかったライトは、アグレッシブな印象を与えるものとして、長年にわたりドレスアップの定番となっている。しかし実際には、ほとんどのケースで照度や視界が悪くなってしまう。
プロが作った薄い色合いのスモークならいいのだが、黒タイツでライトを覆ったり、家庭用塗料で黒く塗ったりと、DIYで暗くするのはあまり良い方法とは言えない。ライトがはっきりと見えないと、違反になる可能性もある。
プライバシーガラス
今に始まったことではないが、さまざまな色のプライバシーガラスが新車時から取り付けられている。ほとんどの国では、プライバシーガラスはリアにのみ使用できる。日差しや他人の目を避けることができるが、ドライバーの視界を最大限に確保するためにフロントはクリアなままにしておかなければならない。
色付きのガラスをつける流行は1990年代にピークに達した。ガラス面に残された波紋や気泡は、オーナーの努力の結晶である。どうしてもアフターマーケットのプライバシーガラスが欲しい場合は、プロに依頼してスムーズかつ安全に施工してもらおう。
グリルガード
グリルガード(ブルバーやカンガルーバーとも)は、4輪駆動車が都市生活に浸透していた頃の常套句だった。しかし、時代が進むにつれSUVが進化し、グリルガードは1990年代の終わりには影を潜め、オフロードでのドライブに必要な人だけが持つようになった。
クルマの安全性に対する意識の高まりと、グリルガードが歩行者と衝突したときの危険性が相まって、歴史のゴミ箱へと消えていったのだ。英国では、グリルガードを装着したクルマの運転は違法ではないものの、運輸省は推奨していない。日本でも保安基準に適合したものであれば車検に通る。最近のおしゃれなSUVに似合うかどうかは別の話。