どれが好き? クルマ業界のブーム 35選 前編 実用的なアイデアと見た目だけのもの

公開 : 2021.12.04 06:05

スポットライト

スポットライトは何十年も前から注目されており、1960年代の英国ではモッズカルチャーのスクーター(ライトやミラーなどでデコレーションしたもの)で人気を博した。クルマでは、ラリーの夜間走行からトレンドが始まった。自動車メーカーはすぐにこの需要に着目し、多くのモデルにスポットライトをオプションとして設定した。

1990年代に入ると、ヘッドライトの技術が発達し、スポットライトの需要は減っていった。しかし、オフロードを走る人たちは、夜間の視界を確保するためにLEDライトバーを装備することがある。北欧の国々では、冬の長く暗い日に対抗するために、大型で強力なスポットライトを装備したクルマを今でもよく見かける。

スポットライト
スポットライト

アンダーネオン

ネオンの光と同様に、この流行自体も一時的なもので、今ではすっかり消えつつある。自分をアピールするための手段としては珍しいことに、安い小型車から高級なスーパーカーへと流行が伝播していった。

クリスマスシーズンの夜の都心には映えるかもしれない。中には、クリスマスツリーよりも多くのライトで内装を飾っている人もいる。

アンダーネオン
アンダーネオン

シートベルト・ストラップ

モータースポーツに影響を受けたこのアクセサリーは、ありがたいことに、今では忘れ去られてしまったようだ。レーシングドライバーが衝突時に荷重を分散させるために幅広のセーフティ・ストラップを使用しているのに対し、この市販の付属品は何の役にも立たない。

高級感のあるシートベルトパッドを好む人のために、レザーやフェイクファー、シープスキンなどの素材も用意されている。

シートベルト・ストラップ
シートベルト・ストラップ

ローリングコール

ローリングコール(Rolling coal)は、米国のディーゼルトラックが黒煙を吐き出すことから付けられた名称である。この流行の背景にある考え方については、「Prius repellent」という呼び方の方が理解しやすいかもしれない。トヨタプリウスに代表されるような「エコカー」に対して、ディーゼルの黒煙をふきかける行為のことだ。

クルマ社会の米国では、クリーンで環境に優しいクルマに抵抗を示すドライバーがおり、ディーゼル・パティキュレート・フィルターを取り除いたり、スモーク・スタックを取り付けたりしてピックアップトラックを改造することが、この文化的流行の一部となっている。

ローリングコール
ローリングコール

多くの州では、工場出荷時の標準状態よりも多くの煙を出すように改造された車両やローリングコールを法律で禁止している。それでも、これらのピックアップトラックのオーナーは、ハイブリッド車やEVをに煤煙で嫌がらせすることを止められないのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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