新型メルセデス・ベンツCクラス・オールテレインへ試乗 伝統の能力+走破性 前編

公開 : 2021.12.06 08:25  更新 : 2022.11.24 15:43

ドライバーに安心感や自信感を与えてくれる

重い踏みごたえのアクセルペダルを深く倒してみると、数字に違わない加速力が得られる。ATが即座にキックダウンしてくれるおかげだ。四輪駆動システムも備わるため、オンロードでのグリップやトラクションはすこぶる高い。

ただし、1720kgの車重を引っ張るために、1.5Lターボエンジンはかなり頑張る必要がある様子。高速域での追い越し時には、エンジンとエグゾーストから放たれるサウンドが小さくない。洗練度は今ひとつといえる。

メルセデス・ベンツC200 4マティック・オールテレイン(欧州仕様)
メルセデス・ベンツC200 4マティック・オールテレイン(欧州仕様)

クロスオーバーらしくゆったり流していれば、穏やかな質感に浸っていられる。トルクは充分以上で、ATは積極的に高めのギアを選んでくれるから、エンジンは低回転を保ったまましずしずと進んでいく。平均燃費は、WLTP値で14.7km/Lと良好だ。

操縦性は第5世代の最新Cクラスと同様に、ドライバーへ安心感や自信感を与えてくれるもの。ステアリングの反応は見事なまでに正確で、重み付けも素晴らしい。手のひらに伝わるフィードバックも、その印象を高めている。

最新のCクラスにはエアサスペンションが備わらないが、オールテレインでも同様。ライバルモデルと同じく、スチールコイルがボディを支える。

ただし、車高が持ち上げられているにも関わらず、サスペンションのストロークは通常のCクラス・ステーションワゴンと変わらないそうだ。それでも、オフロードでも快適性を維持するため、スプリングレートなどは独自設定となっている。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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