キングスレー・カーズ ULEZレンジローバー・クラシックへ試乗 本物を現代的に 前編

公開 : 2021.12.08 08:25  更新 : 2022.08.08 07:19

クラシックな雰囲気を残しつつ近代化

ボディパネルは歪みを直し、再塗装される。塗装色はオーナーの好みで選択が可能。アウトドアが好きなら、バブアー社の長靴にマッチする色を選ぶこともできる。スタッフが長靴の色を計測し、特別なグリーンを調合してくれる。

スチール製のシェルにアルミ製のパネルが組まれるため、ガルバニック腐食と呼ばれる反応が起きることがある。そこでキングスレー・カーズ社は、ナイロンのワッシャーを間に挟む。溶接部分は、充填剤でシーリング処理される。

キングスレー・カーズ ULEZリボーン・レンジローバー・クラシック(英国仕様)
キングスレー・カーズ ULEZリボーンレンジローバー・クラシック(英国仕様)

ゴムコーティングされたアンダーボディ・プロテクションが追加され、タイヤが跳ね上げる汚れから下まわりを保護してくれる。融雪剤が道に撒かれていても安心だ。英国の冬を乗り切るのに、ここまで準備万端のレンジローバーは、ほかに例がないだろう。

インテリアの加工は、一部のレストモッド事例と比べれば控えめ。だが、レンジローバー・クラシックを運転している雰囲気を感じたいなら、問題には思わないはず。

ダッシュボードやピラー類などの内装は張り直されるが、基本的なカタチはそのまま。試乗車には、現代的なアンビエントライトに700Wのアンプと7スピーカーのサウンドシステム、アップル・カープレイに対応したタッチモニターなどが追加されていた。

このデモ車両が、1971年に登録されたレンジローバーがベースだと考えれば、悪くない装備だろう。オーロフが5年前にレストアし、改造を加えながら日常的に使ってきた車両だそうだから、仕事の水準の高さと堅牢性を示してもいる。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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