BMW 4シリーズ 420d グランクーペ 新型へ試乗 スポーティ✕実用性✕ルックス
公開 : 2021.12.09 08:25
硬めな乗り心地はスポーティさでカバー
2.0L 4気筒ディーゼルターボの最高出力は200ps、最大トルクは40.7kg-mと充分で、0-100km/h加速は7.3秒でこなす。試乗車はxドライブということで、トラクションで有利なものの車重がかさみ、7.6秒へ落ちるという。
電圧48Vのマイルド・ハイブリッドのおかげで、停止時には上品にエンジンを停止し燃費を伸ばしてもくれる。洗練性も高い。
四輪駆動システムはとても自然に働き、普通に運転している限り殆ど知覚できない。滑りやすい状況では見事にトラクションが維持され、その効果を思い知らされる。
英国の気象条件では、四輪駆動の必要性はそこまで高くないことは事実。だが、冬場に山岳地帯を走るようなライフスタイルなら、いざという時に心強いはず。
操縦性は、クーペを名乗るだけあってスポーティ。アダプティブ・サスペンションをコンフォート・モードにしていても、乗り心地は硬め。19インチのタイヤは、ランフラットではなかったのだが。
不快なほど硬いわけではなく、コーナリングでは路面に追従しピタリと安定。リムの太いステアリングホイールには、タイヤのグリップ状態がフィードバックとして伝わってくる。乗り心地のトレードオフとしては、悪くないといえる。
強く惹かれるパッケージング
4シリーズ・グランクーペの英国価格は2ドアクーペより約1000ポンド(約15万円)ほど高くなる。3シリーズ・ツーリングよりも高い。価格だけで判断するなら、合理性には欠けると思う。
しかし、その価格差は先代でも変わらなかった。3シリーズ・ツーリングや4シリーズ・クーペと上手に共存し、販売台数を稼いでいた。アウディA4と、A5のクーペとスポーツバックという関係性と重なる。
ドイツの上級ブランドは、ハッチバックをエレガントに見せる手法を、クーペというカタチに発見したようだ。流麗なスタイリングに、2ドアクーペ以上の実用性を両立させており、確かに訴求力は高い。
加えて、われわれが高く評価する3シリーズとの共通性も濃い。強く惹かれるパッケージングであることは、間違いないだろう。
BMW 4シリーズ 420d xドライブ・グランクーペ Mスポーツ(欧州仕様)のスペック
英国価格:4万5590ポンド(約692万円)
全長:4783mm
全幅:1826mm
全高:1442mm
最高速度:233km/h
0-100km/h加速:7.6秒
燃費:17.6-19.6km/L
CO2排出量:140g/km
車両重量:1760kg
パワートレイン:直列4気筒1995ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:軽油
最高出力:200ps/4000rpm
最大トルク:40.7kg-m/1750-2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック