レクサスGS450h ラクジュアリー
公開 : 2012.06.09 14:51 更新 : 2017.05.29 19:24
■どんなクルマ?
第4世代のレクサスGS450hのそのボンネットの下には、アトキンソン・サイクルの3.5リッターV6ガソリン・エンジンと水冷の電気モーターが収められ、CVTギアボックスによって後輪に駆動を伝える。バッテリー・パックはリア・アクスルの上に位置する。その燃費とCO2排出量は、16.4km/l、137g/kmという数値で、とりわけCO2排出量は前モデルよりも23%も向上している。
ボディ・サイズは、前モデルに対して長さは同じだが、高さは30mm、幅は20mmほど拡大している。また、前後のトレッドもそれぞれ40mm、50mm大きくなった。サスペンションはフロントがダブル・ウィッシュボーン、リアがマルチ・リンクという組み合わせだ。
再設計されたボディは、前モデルよりも剛性が14%もあがったという。
スタイルは、CT200よりも更にアグレッシブな、LF-Aにも似たスピンドル・マスクがフロントに取り付けられた。
■どんな感じ?
レクサスGSの本来あるべきマーケットとは明らかに異なる考え方が貫かれているようだ。
エクステリアのスタイリングは前モデルの改良版といった線上にあるものではないようだ。すこしばかりやりすぎかとも思えるフロント・ノーズの造形に対して、スクエアなエッジを持つサイドビューとリアビューは特徴的とはいえるものではない。
インテリアは、ダッシュ・トップに配置される大きな長方形のスクリーンによって占められる。他のコントロールは、オーディオとエアコンぐらいだ。セレクターは”エコ”、”スポーツ”、”スポーツ・プラス”の3つのモードと、コンベンショナルなオート・シフトを選ぶことができ、それぞれがCVTの手動制御をコントロールする。左のダイヤルはレブ・カウンターと”エコ”メーターの表示切替で、ドライブトレーンの現在の状態を表示することとなる。
エンジンと電気モーターが最大の仕事を発揮する時、GS450hは強烈なパフォーマンスを発揮する。V6エンジンと電気モーターの組み合わせが醸しだす味わいは、おなじみの高性能ターボ・ディーゼルとは全く異なったもので、純粋なナチュラル・アスピレーションのフィーリングそのものだ。
ハンドリングも素晴らしく、どんなペースであっても対応することができる。オーストリアの山道では、心地良く、機敏で、安定した印象を受けた。また、オーストリア道は英国の道よりも遥かに良い状態であるという注釈付きではあるものの、乗り心地も総じて良かった。
更に、ブレーキも印象的だったもののひとつだ。ペダルを踏む量にあわせて、確実な制動をもたらしてくれたからだ。
少し不満があるとすれば、低速で一定速度で走行するのがやや苦手といったところだろうか。とはいうものの、このクルマに本当に意味で不得意な面は見当たらなかったというのが正直なところ。
ハイバック・シートのホールドも良く、前モデルよりも大きくなった荷室容量も十分で、高速走行時の静かさも驚きに値する。その静かさは、エアコンの送風を一段下げたことにも気づくほどだ。
マイナーなスイッチギアについては、レクサス・クオリティに達していないというところが2、3ヶ所はあるかもしれない。また、ドアとトランクリッドは、このクラスのクルマとしては少々軽いきらいがあったかもしれない。
■「買い」か?
高級車市場において、いままでのディーゼル・パワーのドイツ車だけでなく、このハイブリッド・モデルも選択肢としなければならないことを十分に証明した。スーパー・スムーズなドライブトレーンは、ラグジュアリーなフレーバーを醸し出している。更に、あなたが環境に配慮するのであれば、なおさらGS450hは強力な選択肢となろう。
そして時にはサーキットを走るようなペースで飛ばすこともできて、16.4km/lという燃費も引き出すことができるのだ。
(ヒルトン・ホロウェイ)
レクサスGS450h ラクジュアリー
価格 | 44.9954ポンド(553万円) |
最高速度 | 250km/h |
0-100km/h加速 | 5.9秒 |
燃費 | 16.4km/l |
Co2排出量 | 137g/km |
乾燥重量 | 1825kg |
エンジン | 3456ccV6+電気モーター |
最高出力 | 288bhp/6400rpm+197bhp |
最大トルク | 35.9kg-m/4800rpm+28.0kg-m |
ギアボックス | E-CVT |