演者だけではない ドラマ/映画でブレイクしたクルマ5選

公開 : 2021.12.03 05:45  更新 : 2021.12.03 06:45

トヨタランドクルーザー(GOOD LUCK!!)

ところで、劇中車として登場するのは、新型車だけとは限らない。

新型車の場合は基本的に自動車メーカーとのタイアップでそのクルマの認知やPRのために使われるが、一方で主人公のキャラクター付のために意図的に古いクルマが用いられることもある。

トヨタ・ランドクルーザー
トヨタ・ランドクルーザー    トヨタ

木村拓哉氏が新米パイロット役を演じたドラマ「GOOD LUCK!!」はその典型だろう。放送されたのは2003年。

しかしながら、主人公の新海元が愛車とするのは1960年から1984年まで生産されていた40系のトヨタ「ランドクルーザー」なのだ。

劇中車は1974年に発売されたモデルのようだが、それにしても30年近く前のクルマが使われるのは異例だろう。

どうしてそんな古いクルマが使われたのか。

それは主人公の人となりを表すための小道具に他ならない。

航空会社のパイロットとの愛車といえば高級車をイメージしがちだが、そうではなく武骨で古いものにこだわる主人公の頑固な性格を演出しているのだ。

同ドラマは平均視聴率が30%を超える人気作となり、たびたび登場した40系ランクルの相場を上げるきっかけとなった。

オペル・ヴィータ(ビューティフルライフ)

木村拓哉氏が登場するドラマでは、別の車種もヒット車種にした。

2000年1月に放送されていたドラマ「ビューティフルライフ」である。

日本ではオペル・ヴィータとして人気を博した
日本ではオペル・ヴィータとして人気を博した    シャッターストック

最高視聴率41.3%という大ヒットドラマだ。

ただしこちらは木村拓哉氏ではなく、常盤貴子氏演じるヒロイン役の主人公が乗っていたクルマ。オペル「ヴィータ」だ。

ドラマのなかでのヴィータは足の不自由な主人公が運転するクルマとしてたびたび登場するのに加えて、「私の赤いヴィータで出かけたい」など車名を口にすることもあり、現実社会でヴィータの販売は急上昇。

赤いヴィータ「だけ」が売れ、輸入元のヤナセがどんどん輸入しても追いつかないほどだった。

フォードエクスプローラー(冬のソナタ)

ドラマで人気が出た輸入車といえば、第一次韓流ドラマブーム火付け役となり、ヨン様をスターにした韓国ドラマ「冬のソナタ」も外せない。

ドラマの中でペ・ヨンジュン氏が乗っていたフォード「エクスプローラー」はドラマの大ヒットを受けて日本でも販売台数が増加。

フォード・エクスプローラー
フォード・エクスプローラー    シャッターストック

そもそも多く売れるクルマではないので台数にすると月あたり500台にも満たない規模に過ぎなかった。

しかしながら、当時フォードジャパンの広報も「たしかに日本での販売台数が増えています。おそらくその効果でしょうね」と認めていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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