30歳以下のコンクール・デレガンス 後編 スピットファイアMkIII/BMW Z1 ほか
公開 : 2021.12.19 07:06
クルマ好きの若返りを目指すべく、英国で開催されたコンクール・デレガンス。英国編集部が参加者へ話を伺いました。
もくじ
ーフォード・ギャラクシー500(1964年)
ーメルセデス・ベンツ190E 2.3-16(1987年)
ーポンティアック・ファイヤーバード・トランザム(1979年)
ーミニ1275 GT(1980年)
ーライレー12/4 スペシャル(1936年)
フォード・ギャラクシー500(1964年)
オーナー:カリム・デミン氏
淡いブルーグリーンのボディが多くの人を引き付け、見事にアメリカン・マッスル・カテゴリーで優勝したのが、カリム・デミン氏がオーナーの1964年式フォード・ギャラクシー500だ。数年を費やして探し出した愛車だという。
「ずっと探していました。しっかりしたシャシーとボディを備えていることを優先してね」。と話すカリムは26歳。レーシングカーのメカニックで、オイルまみれの部品は慣れたモノだという。
「カリフォルニアで見つけたクルマで、売り手はエンジンが完全に死んでいると話していました。ワークショップで2晩ほどかけて、エンジンは復活。でもギアが入らず、その時の興奮は一瞬にして打ち砕かれました」
最悪の事態を恐れつつ、幸運を祈ったカリム。試しにオートマチック・フルードを交換し、ボンネットもないまま試運転してみると、ギアが入るようになっていたという。「正解のクルマを買ったと、その時思いました」
「それから、くたびれた塗装を剥がしてワックスをかけ、インテリアの交換部品を探しました。今では、毎日の足代わりに乗っています」
メルセデス・ベンツ190E 2.3-16(1987年)
オーナー:マーリン・マコーマック氏
かつてアイルトン・セナもドライブした過去のある、スモークシルバーの190E コスワースをMTで乗りたいという願望を長年抱いてきた、マーリン・マコーマック氏。27歳の時に、忘れられたジャーマン・レジェンドを所有する機会が巡ってきた。
「このメルセデス・ベンツは、ロンドンのタワー・ブリッジの駐車場に6年も停められっぱなしだったと、友人から聞いています。2cmくらいボディに埃が溜まっていて、セルフレベリング・サスペンションが駄目になっていました」
マーリンは徹底的なメンテナンスを施し、毎日乗れるクルマへ仕上げることを決めた。「メカニズムは良好でした。サーキット走行は別のクルマで楽しむつもりだったのですが、話が帳消しに。結局、このコスワースの190Eで走っています」
「エンジンからバルブが抜け、コースに落ちたこともありましたね。メルセデス・ベンツの専門家に見てもらい、可能な限りOEM部品を使用して、エンジンをリビルド。新古部品も探して使っています。クルマをベストな状態に戻すために」
その結果、マーリンの190Eは素晴らしいコンディションを奪還。その希少性は、彼の想像以上だったとも話していた。