トヨタ・カローラ・ツーリング 1.8ハイブリッドへ英国試乗 クルマ界の十徳ナイフ
公開 : 2021.12.12 08:25
静かな環境で運転できる高い遮音性
ホイールベースはハッチバックのカローラより長く、路面のうねりや波打ちを通過しても、安定性は良好。17インチの225/45というサイズのタイヤと独立懸架のサスペンションが、細かな入力なども上手に吸収してくれる。
カーブを曲がる際、ボディが外側へ傾くボディロールも、適度に抑え込まれている様子。ステアリングホイールの操舵感は終始軽く、ドライバーとの一体感より、安楽な運転を優先した味付けといえる。全体的な操縦性も、重視されているのは安全性だ。
システム総合で121psという最高出力は、ゴルフや308などの競合グレードと互角。0-100km/h加速は11.1秒でこなす。普通に運転する限り、不足は感じられない。
従来的なCVTのように、加速時には速度と一致せずにエンジンの回転数が高まるものの、車内とエンジンとの隔離性が高く存在感は小さい。目一杯アクセルペダルを倒した時を除いて、不快なノイズが車内に届くことはない。
サスペンションなど、足まわりから侵入するノイズも小さい。遮音処理は高いといえ、とても静かな環境で運転できる。
利便性に優れた道具のようなクルマ
欧州仕様のカローラが、英国中部のダービーで生産されているという点も、英国人の筆者としては推したい理由の1つになる。2.0Lエンジンと異なり、1.8Lエンジンはノースウェールズの工場で作られているという違いはあるけれど。
選択肢が増えるなかにあって、中サイズのステーションワゴンは、改めて訴求力が高いと思わせる。10年ほど前なら、ハイブリッドは複雑なシステムだと考えられていたが、昨今はすっかり一般化してもいる。
トヨタ・カローラ・ツーリングが、オーナーの日常を輝かせることはないかもしれない。しかし利便性に優れた道具のようなクルマとして、ピッタリ日常にフィットするはず。スイス製のアーミーナイフのように。
トヨタ・カローラ 1.8ハイブリッド・デザイン・ツーリングスポーツ(カローラ・ツーリング/英国仕様)のスペック
英国価格:2万7890ポンド(約423万円)
全長:4653mm
全幅:1790mm
全高:1445mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:11.1秒
燃費:19.6-20.4km/L
CO2排出量:111-112g/km
車両重量:1300-1430kg
パワートレイン:直列4気筒1798cc自然吸気+永久磁石同期モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:−
最高出力:121ps/5200rpm(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:CVT