オペル・マンタ GSe エレクトロモッドへ試乗 SUV風マンタは2025年デビュー

公開 : 2021.12.16 08:25

想像以上に高い完成度 少量生産の可能性も

実際に運転して感心したのが、仕上がりの高さ。モーターショーでの展示が前提の荒削りな試作車を想像していたが、パワーアシストのステアリングフィールは上々。直進状態からの切り始めはボンヤリしているが、切り増ししていくと感触も増える。

純EV化されたマンタは、充分滑らかに運転できる。ブレーキは、もっと強力に制動力が立ち上がっても良いと思ったが。

オペル・マンタ SGe エレクトロモッドとオリジナルのオペル・マンタ
オペル・マンタ SGe エレクトロモッドとオリジナルのオペル・マンタ

風切り音は大きい。路面の凹凸でボディは揺さぶられ、振動音も出る。シャシーに補強材などは追加されていないという。それでも、100km/hくらいでのクルージングが気持ちイイ。

4速MTの操作感は、内燃エンジンのクルマとは明確に異なる。プリセレクターのように、ギアを選択してからクラッチを切る。アクセルペダルを踏むまで、変速は完了しない。

3速に入れっぱなしで運転することも可能だが、変速するとパワーデリバリーが変化する。4速に入れて巡航していると、車内は静かになる。現在の純EVでは一般的な、シングルスピードATより印象は良かった。

オペルによれば、純EVシステムのサプライヤーとともに、マンタ SGeの少量生産を検討しているという。ショーカーとして作られた、この1台の反応がかなり良かったためだ。

SUV風モデルとして2025年に生まれ変わる、新しいマンタへの購買意欲喚起に繋げることはできるだろうか。新型がスリムなクーペではないことに、落胆するファンもいるかもしれない。

いずれにしても、オペル・マンタ SGeを買える可能性が生まれることに期待したいと思った。

オペル・マンタ SGe エレクトロモッド(欧州仕様)のスペック

英国価格:非売モデル
全長:4340mm(標準マンタ)
全幅:1630mm(標準マンタ)
全高:1355mm(標準マンタ)
最高速度:149km/h(リミッター)
0-100km/h加速:8.9秒
航続距離:199km(予想)
電費:6.4km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1137kg(予想)
パワートレイン:同期モーター
バッテリー:31kWhリチウムイオン(実容量)
最高出力:147ps/4290-7200rpm
最大トルク:25.9kg-m/400-3800rpm
ギアボックス:4速マニュアル

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事