ゼロ・エミッションの宅配ピザ? EV活用で持続可能性を掲げる英国企業に密着

公開 : 2021.12.09 18:05

英国では顧客からの評判も上々

またビリヤ氏は、EVへのこだわりが実用性だけでなくビジネス上の価値観によるものであることを率直に語っている。

「独立系のフードデリバリー企業として、わたし達は自分たちの価値観を非常に大切にしています。食材の品質や産地には妥協せず、倫理的で持続可能な国内の生産者やサプライヤーを厳選しています」

Birtelli'sのピザ
Birtelli'sのピザ

「しかし、そのためにサプライチェーンの先々で妥協する必要があるでしょうか?持続可能なソリューションに投資することで、街やコミュニティへの影響を軽減し、世界を少しでも緑豊かで住みよい場所にしたいと考えています」

「これまでは、ゼロ・エミッション車両の運用は全体的なビジネスケースとしてうまくいかないと考えられてきました。しかし、興味深いことに、経済的な課題は変化しています。実際に、電動バンはエンジン車よりも非常にコスト効率が高いことがわかりましたし、最近の燃料不足の際には、切り替えの決断をしてよかったと思いました。今日の価格高騰の中でも、フル充電で3.37ポンド(約507円)です」

さらに、注文した商品がEVで配送されることを意識する顧客が増えており、収益の向上にもつながっているという。

「お客様からは、レミントンやウォリックでわたし達の車両を見ると気分が良いという声をよく聞きます。美味しいピザを運ぶクルマを見て気分が良くなるのはもちろんですが、街中でバンを見かけて、わたし達のことを気にかけてくれたと言われると、さらに特別な気分になります」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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